『灯台もと暮らし 』西伊豆ガラス工房FARO徒然日記

タグ:赤ちゃんのお位牌



25日は、今年最後の「愛を継ぐ装置」の稼働体験でした。

ものすごい強風のクリスマス、、、(@_@;)
お客様はあまりみえませんでした。

「今日は少なくてすみませんでした」
と学芸員さんが謝られて、

「でもね、私もう、
愛を継ぎました
よ!」

と教えてくれました。

彼女はこの間、自分が欲しかったメッセージ
"わたしは弱い時こそ強い"

を引き当てて大喜びしたのですが、それはお友達への
プレゼントだったそうです。

友達に、淳子さんのコンセプトを伝えたら、
ウルッと来てましたよ。

と教えてくれました。

嬉しかったです。


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写真は、先月の体験の時のもの。

この日は27名の方に言葉をお届けできました。

女性グループが多く、皆さんで楽しそうに、
お互いのビー玉のメッセージを覗いていました。

ついには、装置に向かって柏手を打ち、
好きな色が出ますように、、、

とされる方も現れビックリ(@_@;)

また、出てきたビー玉を見て

「お座布団作って、玄関に飾ったら素敵ねー」

とみなさんで話し合っていらっしゃるので、

あのーモシモシ?
これはどんどん手放していってほしいんですけど、、、

と、趣旨をもう一度説明したり、、、(笑)

今日の方は"いたいのいたいの飛んでいけ"が出たので、
コンセプトを説明していたら、

「じゃあ、(痛いところに)効く のね?」


と真顔で仰ったので「ヾノ・ω・`)イヤイヤイヤ」
即否定した私です。

効くとは思わないけど、そうなるようにという
想いを形にしたんです。

赤ちゃんやペットの手形やお位牌もそう。

ガン闘病の友達の病室を明るくする何かを、、、
というご要望にお応えしてできあがった"虹の風鈴"も

毎日点滴や注射をしなくてはならない、知人の小さなお子さんへ、
なにかできないかと考えて生まれたのが、
"石文ーいたいのいたいのとんでいけ"でした。

心臓病と戦う友達にというご要望で生まれたのは
今はもう作っていない"ほほえみかえる"君。

その他、いろんな想いを形にしてきました。

ここ数年でわかってきたのです。
私は、"愛を形にする"のが仕事なのだと、、、


その決意が、この「愛を継ぐ装置」なんです。









この間、埼玉から若いご夫婦がいらっしゃいました。

10ヶ月で亡くなった赤ちゃんのお位牌のご相談にみえたのでした。



ママが描いたデザイン画を元に、私が作った試作品や失敗作などをご覧いただきながら、ご相談させていただきました。


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素人の方には簡単に思える表現も、1300度のグニャグニャのガラスの動きや、色による癖などで大変困難な注文だという場合もあります。

お位牌本体の形状による注意点もあります。

そんなふうにかなり専門的な話までご説明して、完成イメージを共有するところまで持っていきます。

これを、電話やメールでやり取りすることもありますが、直接見ていただいたり、ここがこうなってるから、、、という指差しもできないので、説明に何時間も、メールだったら何通もかかってしまいます。

お位牌をご検討されている方は、今回のママがお持ちくださったようなデザイン画を見せてくださると話が早いです。

色の指示、参考にしてほしい過去作品がある場合はリンク、お位牌のサイズ、文字のレイアウト、納期。

以上を決めて、お問い合わせください。


イメージがモヤモヤしたままの方は、ぜひ工房までお越しください。
具体的なイメージが持てると思います。


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さて、1時間みっちり話し合って、お位牌のデザインが決まりました。

ママが別れ際に

「今から岡山まで行くんです!
お骨も一緒に、、、

10ヶ月間、ずっと病院だったので、、、」

ああ、生まれた時から問題があったのですね?

「520gで生まれたんです。
いろんな臓器がまだ未熟で、女の子だって言われていたのに、途中から停留睾丸だって言われて、男の子だとわかって。
骨も曲がってしまったり、腸がうまく機能しなくて何度も手術して、、、

でも体重じゃないんですよね、290gの子がちゃんと育ってたんです。」

ちょっと悔しそうにおっしゃったので、

けれど育っても一生障害がある身体だったとしたら辛いですよね。
いや、親だったらどんな身体だとしても、生きていてほしいとも願いますね、、、難しいですね。

と話したら、

「私でも、できる限りの事は全部したので、スッキリしているというか、、、
周りの人が心配するほど、悲しくないというか、、、」

そう言って微笑んだ彼女の顔が、本当にキリッとしていて、それが真実だとわかりました。

最初で最後の家族旅行、楽しんで欲しいなと思いながら見送りました 。

先日、大阪から御夫婦がお越しになりました。

1月に亡くなった赤ちゃんのお位牌を、直接引取りに見えたのです。

重度の障害を持って生まれ、生後1ヶ月という短い生涯を終えた息子さん。

高さ7センチで、透明の卵に白い羽根を、、、

というご希望でした。

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渋滞で遅れてみえたので、すでに仕事かかっていて、ゆっくりお話することもできず、用意しておいた箱の中から取り出して見ていただきました。

恐る恐る手に取ったママは、にっこり微笑んで

『可愛い、、、 』

と、何度も言ったのでした。


実は、お二人は昨年もFAROへお越しになっています。

お兄ちゃんがいたのです。

やはり重い障害のせいで、1歳で亡くなってしまったのです。

その時、FAROのお位牌のページを見てお電話くださったのです。

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文字を彫る前の画像です。


子どもを虐待したり、殺したり、、、というニュースが、毎日のように流れています。
そんなひどい親が子どもを持てるのに、どうして心から子どもを欲しいと願う2人に、こんなにも辛い別れが繰り返されるのでしょう?

その不条理に憤慨することぐらいしか、私にはできません。

ただ、パパとママの希望通りのデザインで、可能な限り美しく可愛く形作ることだけです。


1センチ背の高いお兄ちゃんと、小さい弟の天使の卵。

今頃、パパとママと一緒の部屋で微笑んでいることでしょう。

4月の中頃、メールが届きました。


『2月末に妊娠6ヶ月で娘を死産しました。
娘は身体全体がむくむ病気で、医師からこのまま生き続けることは
できないと診断されました。
初めての子でとても楽しみにしていたのですが、
残念ながら死産という結果になってしまいました。

先日の四十九日、主人の実家のお墓に納骨をしました。
今までは娘が亡くなってもお骨がありましたが、
そのお骨も傍から離れ、すごく寂しい気持ちです。

そこでFAROさんに作っていただく心のこもったお位牌があれば、
娘も喜ぶと思いますし、私たち夫婦の気持ちも
穏やかになっていく気がしています。』

と、、、

七夕が出産予定日だったそうです。
だから、七という字のつくお名前を赤ちゃんにつけたそうで、
7色の虹のお位牌を希望されていました。

ところがすでにこの時、私達はとんでもなく忙しい状況で、
新たにお位牌を作る時間はなかったので、在庫から選んでいただく
ことも御提案しましたが、たっての希望で新たに制作することに、、、

2つ作ったのですが、色が濃すぎて自分としては納得できず、
翌日更に2つ制作して、合計4つの中から選んでいただきました。




お選びいただいたのは、こちら。




羽根や身長体重など、どうしようかと悩まれていましたが、
シンプルなお位牌にされました。

展覧会終了まで、待っていただき、終了後に彫刻する
文字のレイアウトなどのすり合わせをいたしました。




1カ月半かかって、ようやく昨日お届けできました。

直後に温かなメールいただきました。
お位牌が、パパとママの気持ちを少しでも慰める存在であってほしいです。


『先ほど五木田さまが丁寧に作ってくださった心のこもった
お位牌とお手紙が届きました。
ありがとうございます。
涙が止まりません。

七夕に産まれるはずだった娘らしく、
七色の虹色がキラキラして、すごく綺麗です。

今日は七夏が産まれて100日目、百か日なんです。
まだまだ心の傷が癒えない私たちに、七夏が
『お父さん、お母さん、わたしはお空で楽しくやってるよ、
大丈夫だよ、だから元気になってね』って言ってくれているようです。

七夏はいつまでも私たちの大切な長女なので、
五木田さまにつくっていただいたお位牌もずっとずっと大切にします。

本当にありがとうございました。』

なんかさ、毎晩のように夜なべして、いろんな仕事してるわたし、、、( ̄(工) ̄)

今日は原料投入したから、夜中まで煮上げていなくてはならない。
月に照らされて、夜桜が綺麗な夜です。

今月はマジ忙しい。
通販が一番振り回されたけど、ブームは去った感あり。(笑)
もう、バカみたいに注文入らなくなった。
きっと、ギフトで贈りたい方が多かったんだね?

で、何が忙しいかと言えば、、、

西伊豆町の赤ちゃんのガラス手形の制作
ガラス作家の会の事業報告書作成
取引先の棚卸
赤ちゃんのお位牌の制作3件
その、お位牌に彫る文字のデータ制作
ふるさと納税のお礼の品にした、ウミウシ宝石箱に
まさかの注文が入り、箱作るのに4時間半かかったり、、、T^T
5月の元町の企画展のDM制作は、写真撮りに2日、
データ制作に3日かかったじょ。( ̄(工) ̄)
かも風鈴デザインコンテストの、入賞作品の制作は、
何個も作って失敗して、、、と、これも何日もかかった。

これらのほかに、イベントやったり、通常の作品制作や、
事務仕事や銀行行ったりしてたら、
あれ?春休み突入〜((((;゚Д゚)))))))

息子たちの「ハラヘッタ」攻撃に辟易、、、
そして、吹きガラス体験のお客様も増えて、、、

もーーーーーーー!私は毎日秒刻みで動いてる感じでした。

そして今は、元気に育って生まれてこれなかった赤ちゃんの
手形足型を、Photoshopで修正中。
足のサイズは2.5センチ。

「上手く取れてない手型を可愛く直して、お位牌に彫って欲しい、、、」

というママのため、手描きでトレースしたりあれこれ試したのですが、
結局スキャンして画像修正がベストだと、、、




何とか今できたけど、2時間以上かかったね、、、( ̄(工) ̄)

さて、ガラスの様子を見に行きましょうかね?

夜中のつぶやきでした〜ヽ( ̄д ̄;)ノ


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