『灯台もと暮らし 』西伊豆ガラス工房FARO徒然日記

タグ:西伊豆町特産品

ずっと、ガラスのウミウシネタで続いてきたので、
この辺で気分転換、、、笑

今日の話題は、西伊豆町特産品「かも風鈴」です。

毎年、新しいかも風鈴をお披露目する時と同時に、
デザインコンテストも開始しています。


黄金崎クリスタルパークさんに、テーブルと画材が用意されていて
専用用紙にデザイン画を描いて提出していただいています。

もしくは、ネットでダウンロードもできるので、郵送でも応募可能ですよ。

http://www.kuripa.co.jp/kamofuurin_contest/design_contest.htm


何百通という応募から、西伊豆元気製作所メンバーで、
秋頃に選考会をします。

選ばれた作品は、冬の間に各工房で割り振って制作します。

私が今回担当になったデザインはこちら~




薄いグリーンの風鈴に、黄色と白の小魚が、泡と共に
登っていく「希望」というタイトルのデザインでした。

最初に作ったものは、今いち気に入らなくてボツにしました。

2個目の素地を吹いて、高温用のエナメルで、1匹1匹筆で描き、
乾かして、再度500度で加熱。
それをすかさず、溶けたガラスを付けた棹にピックアップして、
1200度以上で再加熱

そこでやっとエナメルがガラスに変わります。

これって、ピックアップ時に割れる可能性があるので、
肝を冷やすんです。

いや~~できたできた!と翌日冷ましから出したら、
絵付けが逆だったという、、、泣




「フウセン」

こちらは見たままそのまま、素直に作りました。
でも、こういう単純なモノにありがちですが、うまく
水色の大きさが出せなくて、2回作りました。

8歳かな?
可愛い絵で、自分で選んで作らせてもらいました。





「海と夕陽と三日月」

これは、簡単そうに見えるんですがものすごく大変なんです。

内側に、デザイン画のような微妙な色合いを様々な色ガラスで
表現した後、外側をオレンジ。
そのまた表面に黄色、、、という何層にも重ねて吹きました。

三日月の部分をどこにするかで、内側のニュアンスが
変わってしまいます。

思い通りの色の部分なのか?
半信半疑で、三日月を彫って行きました。

彫った後は白くて、下地が見えないので、この風鈴もまた
加熱してピックアップして、高温で再加熱して、透明感を
もどして仕上げました。

全ての過程において、ドキドキの風鈴でした、、、




ラムネの瓶です。
絵の通りにしようと思ったら、ラムネの瓶のへこみって、
本当は2つ
なんですよね?

それでは、風鈴の形にならない、、、

仕方なく、デザインの方に近づけて、ぶ厚さも表現したのですが、
いざ凹ます時になったら、そのぶ厚さが邪魔して、上手くピンポイントで
凹んでくれない!

これ、2個目でやっと完成しました。





クリスタルパークさんにお越しになったことがあれば、
ご存じだと思います。
キャラクターのクリパくんの帽子だそうです。

この格子をどう表現するか、、、
あれこれ考えましたが、ステンドグラスや、絵付けではなく、
吹きガラスで吹いた後に、削っていく方がエッジが出ていいかなと
考えました。

2層にして、外側の色を格子状に残し、内側の色を出していく
方法にしました。

そして、この風鈴も、ピックアップして溶かしました。
ちょっと数分置きすぎて、溶けて帽子がひしゃげてきてしまい、
超焦りました!

格子状にマスキングして、彫っていくの、めちゃくちゃ時間
かかったのに、ここで失敗だったら泣くよ~~~
必死で修正していきました。

何とか冷ましに入れることができて、バーナーワークで
キラキラの星を作り、接着しました。




「雨降り風鈴」

ミズタマ可愛いな~って選んだのを後悔しました。

水玉が、かなり難しかった、、、、
それに、この傘の縁の部分も、、、

これも2個目でやっと出来上がりました、、、

内側をサンドブラストかけて、ビニールのような感じを出しました。





お分かりですね?
ウミウシです~~~

もちろん!自分でデザイン画を選ばせてもらいました。

難しいのは、その形状を風鈴にする、、、ということです。

作り始める前に、かなり時間をかけてシュミレーションして
(よし!)となってから、制作を始めました。

一発でできてホッとしました。




で、今回のグランプリはこちら。

3工房が作ってきたら、どんなふうになるか、見てみたい!という
デザインを選んだんですよ。

天の川の模様がかなり複雑で、現実的にガラスで表現するのは
難しいなってすごく思ったのですが、そこで引いてたら
つまらないので、敢えてこのデザイン推しました。

実際やってみると、本当に難しかった、、、

1個目を作ったけど気に入らず、しばらく放置していました。
毎日作り方考えて、考えて、、、

そうしてやっとできあがった最優秀賞です。


今回も、本当に難しく、挑戦し甲斐がありました。

私の作った風鈴のほかに、光箱さん、GGGさんが
同じように、素晴らしい技術力で制作されました。

それらはまた、次の記事で、、、








そして忙しかったのは、ふるさと納税のお礼の品

『海の宝石箱”ガラスのウミウシセット”』

の、宝石箱の方。

ふるさと納税の納税額が、県下1位の西伊豆町。
お礼の品の中でも、やはり断トツは海産物

負けじとガラスも参戦!!
と、思ったのですがなかなかアイデアが出ず、、、

気付いたら何カ月も経っていました。

西伊豆町への借金も返せるよう、どげんかせんといか
ん!

知恵絞って考えた3品。

そのうちの1つが、ガラスのウミウシ達をいつでも
愛でることができるように、標本箱をセットにしたもの

DSC_1166

『海の宝石箱』

って、名前をつけました。

ウミウシはね、10年以上も作ってきてるから慣れてるんですが
ステンドグラスで作る箱は、独学も独学
ネットでいろいろチップスを拾い、こんな感じでどうかな
初めて作ったのは2日かかりました、、、

http://faroglass.blog.jp/archives/1466788.html

撮影用のウミウシ用の箱は、それよりも短かくできたけど
後で半田から白い錆のようなものが出てきてしまい、
完成後の処理が完璧でないといけないと思い知らされました。

それで、サンプル画像を撮り、町へ提出して、ネットで
紹介していただきました。

http://www.furusato-tax.jp/japan/item_detail/20872


縦に置いたり、、、

DSC_0053_1

扉はこういう風に開きます。

DSC_0054

横にも置けます。

DSC_0056

ウミウシ達は、この7個体をチョイスしました。

ウミウシ
2つ分スペースが空いているのは、後でお好きな子を
ご注文いただいて完成させる、、、
というお楽しみに
残しておきました。

”納税額が高いものへのお礼の品の層が薄い、、、”

と伺っていたので、高額商品(笑)にしましたが、
(なんせ、箱に何時間もかかるんですから、、、)
きっと注文はないだろうと、高をくくっていたら、、、

あれ???数日後にはいきなり注文!(@_@)

マジで~~12時間かけて、
また作るか~??ヽ( ̄д ̄;)ノ


熊本からのご注文でした。
きっと楽しみにされているでしょう。
今度は、しっかり作んなくっちゃ!

手をスパスパ切りながら、ガラスを裁断し、
カパーテープを巻いて、半田付けしていきました。

「今度は4時間半でできた!(≧∇≦)」

って、嬉しくて主人に言ったら

『はぁ??
4時間半もかかるの???( ̄◇ ̄;)』


と、呆れられました、、、


今回は、はんだを染める薬品も、劇物の方を買い、
洗浄処理もしっかりしてみました。

image_188

役場からのお礼状を入れ、箱にはシール。
あ、側面には私の作った消しゴムハンコ押して、、、笑

西伊豆町へ納税して良かったなって思ってもらえるよう
祈りながら送りました。



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