『灯台もと暮らし 』西伊豆ガラス工房FARO徒然日記

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さて、先程のルビー婚式のお客様。

実は、亡くなられたお父様の法要の準備をされていて、その日集まるご親戚に配る記念品を探しに見えたのでした。

お電話いただいた時は、

「折角のお話ですが、生憎私どもは半年も休業しており、売れ筋はほとんど売れてもうお気に召すものが無いかもしれません。」

とお伝えしたのですが、それでも1度訪ねてみたいとおっしゃるので、ぜひどうぞとお迎えしたのでした。

コロナ禍を越えて、久しぶりに方々から集まる親戚のために、心温まる大事な時間にしたいと、なんとテーマまで決めて、時間をかけて家系図まで書き出したというお話を伺い、並々ならぬ意気込みを感じました。

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今お渡しできるありったけのガラスを、工房のあちこちから引っ張り出してご覧頂きました。

おふたりは、招かれる方の名簿を照らしながら、その方々に合ったガラスをと、

「○○はお花が好きだから花瓶が良いわね!」

「あそこは子供がまだ小さいから、こっちがいいかもね。」

「このグラスは、ゆきちゃんの。」

などとお一人お一人それぞれのお顔を思い浮かべながら、2時間かけておふたり汗だくで決めていらっしゃいました。

その真剣な様子にとても心打たれて、あぁ、これをビデオに撮ってみなさんに見て頂きたいなと思ったほどでした。

おふたりがどれほど心砕いて選ばれたか。

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種類の少ない中で申し訳なかったのですが、主人のMinamoグラスをお気に召して、それだけ7個も選ばれました。
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このグラスはちょっと水垢が付きやすい形状なのでお手入れ法を一言添えようと思ったのですが、それなら作品名を伝えた方がより選ばれたおふたりの想いが伝わるのではと思って、全てにカードを描きました。

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もちろん、ガラスの裏側には日付やお名前、そして今回のテーマを端的に現した(長すぎて入らなかったので)「縁」という文字をサービスで彫らせていただきました。

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今日のお昼頃に、

(あぁ、今頃皆さんがお食事を囲みながら、今日のテーマや記念品の説明など受けている頃かしら?)

と妄想していました。

きっと仲の良い素敵な御親族なのだと思います。

大切な記念品に選んで頂き、本当にありがとうございました。

#記念品
#法要
#家族
#Minamoグラス
#五木田秀幸
#五木田淳子
#ガラス工房FARO

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2017.9.16

台風直撃の予報通り、ホテルを出た途端雨が。(╥_╥)
小雨になることもあったけど、ほぼ横殴の雨の状態

私の列は、ちょうどその風雨を受ける方向にテントが開いており、大変厳しい状況。

雨でも見せる演出をどれだけ用意できるかどうかが、今年の"キモ"だと感じた。

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幸い私のブースは角地で、側面も使うことができ、本来の正面を閉じても大丈夫だったので助かった。

そう。
私は準備してきた。

昨年、コラショとB品を持ち込み、広げるだけ広げたにも関わらず、全く売れなかったという苦い経験をした。

今年はカウンターと棚を作ろうと。

自分で作ることができるものだったけど、着手する時間が全くなく、恐る恐る主人に相談すると、あっさり作ってくれた。

でも、図面がないと作ってくれないので、必死に書いて、木材もホームセンターでフル稼働で買い込んできて、準備万端整いましたーの状態でのお願い。(笑)

寸法間違いがいくつかあったけど(笑)、私が一人で持ち運べるようにという希望を叶えるアイデア出してくれたり、綺麗に面取りしてくれたりと、数日で作ってくれてありがたかった。
散々自分で作ってきたけど、もっと前からやってもらえば良かった、、、(´-ω-`)

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高校の同級生の佳奈美ちゃんが覗きに来てくれて、ディスプレイ手伝ってくれた。


デザイナーさんに無償でやらせてしまって、申し訳なかった、、、
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今回のクラフト大賞応募作「愛を継ぐ装置」

まだ並べているところに、子どもたちが単純にガチャだと思って集まりだし、ちょまー!って慌てた。


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出てきたメッセージの玉を入れる袋に、まだコンセプト書いた紙を貼ってなかったので、母と姪に糊付けしてもらった。

そのうち、メイワンで一緒に働いてたみやちゃんとかわいちゃんが突然来てくれて、久しぶりー!って16年振りくらいの再会を喜ぶ。

そしたら、中学の同級生のかおりちゃんも来てくれて、SNSってすごいなーって。

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かわいちゃんは、この虹色の可愛い!ってお買い上げ。

他の皆も、家族で来てたので、タダでガチャやってもらった。(笑)

狭いテントに、みんなで雨宿り。
もうギュウギュウ、、、(笑)
ただ、とにかく雨、雨、ザンザン振りの雨。

台風が確実に来ると言われていて、元々歯抜けだったブースが、どんどん帰っていく。

布、木工、革、辺りの作家さんは、作品が濡れたらアウトだそう。
ガラスはその点、濡れても大丈夫だからラッキー。


さて、浜名湖ガーデンパークさんは、市の条例で"暴風警報発令されたら閉園"台風接近が確実な明日は、中止かもしれないと言われていたけど、終了時に「明日の開催を決定した」とアナウンスが。

大丈夫か〜?

って思ったけど、実行委員会が決めたのなら、私も腹を決めよう。

雨対策でへとへとに疲れたけど、たくさんのお客様と、懐かしい友との再会と、何より頑張ったことへの評価が嬉しい初日が終わった。

まあ、今までなんとかなってきた。
なんとかなるだろうって思えるのが、浜名湖だ。

夕方、体育祭を終えて新幹線初挑戦の次男を駅に迎えに行く。

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9.17
台風どんなかなと思ったけど、こんな感じ。

出がけにやっぱ降ってきた。

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着いたら、更にブースが減ってた。

雨は止む時もあるんだけど、とにかくすごい風で、うちのテントはぐにゃと曲がるぐらいの横風を受けて、今にも飛んでいきそう。

ちゃんとアンカー打ってあるけど、テントが折れたら意味ない。( ̄▽ ̄;)

母達も、横からの風圧に耐え、屋根にたまる水を時々上げて落としてる。

次男はテントの骨組みにずっとぶら下がって飛ばないようにしてくれた。昨日来てもらって助かったー。(@_@;)やがて雨が止んだころ、私の隣のブース。出店に不慣れみたいで、テントにアンカー無し。
小さいサイコロにテントを乗せて高くしていて、今更ロープでくくったりしてた。突風が吹く度、お客様がキャーって叫ぶ。看板倒れる→戻す→テントがずれる→戻すの繰り返し。

大丈夫かなーって思ってたけど、とうとうテントが大きくお客様が歩いている方へ飛んでった。呆然としてる若い作家のお兄さんと彼女を見て、私はたまらず

「テント、もう畳みましょう!」

と提案。
しかし、畳むのも不慣れなようでボーッっとしてたので、周りの人達と畳んであげた。

しばらくして覗いたら、彼泣いてた。(@_@;)
彼女が肩さすってた。
そのうちいなくなった。


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前日もだけど、横殴りの雨風で風向きが悪い方に間口のあるブースは可哀想だった。
うちは2面あったので、選択できて良かった。

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雨風が収まった午後にはテントは半減してた。

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テントがない分、芝生が多く見える。

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さて、主人の什器が功を奏し、土砂降りの中、ガラスがどんどん売れて、驚きの売り上げに!


安い訳あり品、箸置きや、アクセサリーなども一切無し。

完全に、通常の販売価格で勝負。
もちろん、値引きなし。それで、この売上は本当に嬉しい。

シェルフに載せる作品もなくなったのでテーブル1台でOKに。

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昨年、欲しがって泣いた坊やのために、オールドファッションドグラスタイプのひこうき雲グラス作ってきた。

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天気悪いし、来ないだろうなって思ってたけどやっぱり来なかった。

だけど、終了間際にやってきたお客様が、ひこうき雲グラスを見て

「これ、もっと小さくできませんか?
お酒を飲んだら楽しいなーって」

ああ、なるほど。
お値段は余り変わらないけど、来年作ってきますね。

とお約束。

今回も色々と収穫があった浜名湖だった。

翌日は、嘘のような晴天。

テントを守るため頑張った次男に、ご褒美で竜ヶ岩洞へ。

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私も25年振りに行った。

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この顔出し。
私と主人も25年前に写真撮った。(笑)

大変だったけど、みんなに助けて貰って、出会いも沢山あって楽しい2日間だった。

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4時間の運転が終わる頃、西伊豆の夕陽が温かく迎えてくれた。


2016.9.17

夜中のうちに伊豆をたって、早朝浜名湖ガーデンパークに着いた。

急いでテント設営。
荷物を1人で運んで、セッティング。

今回かなり作品を持ち込み、本気で来てた私。

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西伊豆の観光パンフもてんこ盛り。

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応募しておくと、選考に通りやすい(浜名湖は書類選考があります)という噂を信じて毎年出してるクラフト大賞コンテスト。

今回は、飛行機雲の作品。

虹色のオーナメントも下げて、頑張ってセッティング。


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そこを覗くと、虹色が見える仕掛け。(^-^)


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とまあ、お天気も良く、ここまではよかったけど、あれ?あまり売れない、、、

めちゃくちゃ暑い。

暑いせい?

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お求めやすいB品もいっぱいあるのに「綺麗ねー」と、誰もが歓声をあげるだけで、売上にはならない。

とにかく暑い、、、

疲れてて、暑くて頑張ってるのに売れないって強烈にダメージくる。

そこへ、通りがかった若いご夫婦とヨチヨチ歩きの坊や。

「あーーー!飛行機雲だねー(≧∇≦*)」

と声が。

坊やは、小さい手をいっぱい伸ばし、飛行機雲のグラスを手に取ろうとする。

「この子、飛行機雲が大好きなんです。
欲しいの?これ。

これは、売り物ですか?」

残念ながら応募作品なので、会期中展示しておかなくてはならないのです。
それに、売るつもりなくて、値段も考えてなかったので、、、
と答えた。

「○○くん、これ買えないんだって」

と、ママが言った途端、まだお話できない坊やが火がついたように泣き出した。

わー!ごめんね。
来年来てくれたら、売れるようにして持ってくるね。
また来てね。

と、言ったら

「わかった、わかった。
また来年来て、買ってあげるよー」

と、仰け反って泣きじゃくる彼をすくい上げて抱っこして、パパとママが早足で去っていった。

彼の泣き声が、段々と小さくなる。
私はずっと見送ってた。

後ろで、一部始終を見ていた下の弟が

「あそこまで欲しがってくれるなんて、本当に嬉しいね。
これ、商品化した方がいいよ、きっと」

と、ぼそっと言った。
本当だね。

絶対来年は彼のグラス持ってこよう。

※追記
このお話には続きがありますよ。


その後も、さっぱり売れずに初日は終了。

翌日はとうとう雨。
浜名湖の雨はいつもの事だけど、輪をかけてお客様が入らない。

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私のテントは、1人で持てるようにブースよりも1mほど小さいもの。

そこに、濡れないようにガラスを押し込めるため、ガラスの輝きが全くアピールできない。

いつも2日間、応援に来てくれる私の家族。
総勢8人。

閑古鳥の鳴く小さなテントに入り切らず、一日中会場をさまよう羽目に。

晴れたり、時々土砂降りになったり、お客様は更に減り、いても目の前を通り過ぎていくだけ。

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最後に、上の弟が会社でお世話になった方に差し上げたいって、たくさん買ってくれて、なんだかありがたくて情けなくなった。

たくさん準備して、遠征費や出店料かけて、家族にも来てもらっててこのザマか、、、

それでも、初日の飛行機雲の坊やとの出会いが心に残る。

そして、作品のバリエーションや数、価格では無いことがすごくよくわかった。
戦略方法が、クリアに見えた。

今回は失敗だったけど、転んでもタダでは起きない。


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最後は雨が止んでくれた。

上の弟一家と、下の弟の子ども達、そして私の母が搬出を手伝ってくれた。

毎回、本当に感謝してます。


敗北感の中に光が見えた、そんな2日間だった。

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