『灯台もと暮らし 』西伊豆ガラス工房FARO徒然日記

タグ:ステンドグラスの窓

この間、分別ごみを出しに行ったら、昨年
いらないステンドグラスの板を
捨てに来られていた方
が、
お当番で立っていらっしゃいました。

「この間、捨てて行かれたガラス、貰って行って、
工房の扉の窓を埋めることができました!
本当にありがとうございました。」

とお礼を言ったら、

『あら!今日も持ってきたのよ!
重いからちょっとずつ出してたんだけど、今日で最後。

ねえ!何ならまたもらってくれない?』


と、また頂いてしまいました。




今回は、赤い板が数枚入っていました。

「ああ、赤い板硝子は、高いんですよね~
私、学生の時、高くて買えなかったですもん、、、」

と言ったら、


『そうなのよ。みんなで、分けっこしたりしながらさ。
高いな~でも欲しいな~なんて言いながら注文してね。

だから、なかなか捨てられなくて、、、

いつかまたやるかもしれないって思ったら。
ね、、、』


ああ、その気持ち、痛いほどよくわかります。

少しずつ、少しずつ買い貯めたんですよね!
想いが残りますよね、、、

たくさんの埃や汚れの跡が残る板ガラス。
ずっと長い間使われることなく、納屋に置かれていたのがわかります。
だからこそ、また生かしてやらなくてはいけないな~って。
彼女の代わりに、、、




「ドア、今度見に来て下さいね。」

と言いながら、いつか私も同じような想いをするのかな~って
思いながら帰ってきました。


昨年末、分別ごみ収集の当番で拾った、ステンドガラス用の板。

確定申告の為、1年分の経費を入力することから逃避するため、
寒い工房でシコシコ作っていた窓ガラスがようやく全て完成~

元々、台風で壊れたドアを、主人が鉄鋼でつくりかえ、
窓ガラスも、自分でロンデル(丸い板状のガラス)を吹いて
裁断し、はめ込んだのですが、真ん中の大きな部分は
なかなか吹けずに、数年間放置、、、

その間、アナグマやムクドリ、のら猫が出入り自由、、、
ポスター貼ったり、紐を通したりいろいろしましたが、出入り自由、、、笑




で、その部分を、拾ったガラスで埋めろ!
という、主人からのミッション。

どんなデザインが良いのかということよりも、拾ったガラスの中から
黄色の!ドアに合うガラスを選ぶのがまず大変、、、

やはり、黄色っぽいものや白っぽいものしか使えませんでした。

1枚、ただ切ってはめればいいのでしょうが、やはり面白くしたかったので
あれこれ考えて、水玉模様にしました。

最初に恐る恐る作ったのはこちら。



水玉の部分は、私が吹いたガラスを切って入れました。




次はこの間ご紹介した、夕だるまをへたらせたもの。
上下のピンクも、私が吹いたガラス。




で、3枚目が白い板ガラスを使って、間に入れた虹色は
この間お越しいただいた尾木ママ用に作ったけど
ボツになったガラスをもったいないから使いました。

上下のガラスは、以前失敗した虹の風鈴を溶かしたものです。




そして最後は、メインにしたかったので、中央のコバルト色の
ガラスに、工房のマークを彫りました。

あ、この窓だけは水玉は拾ったガラスを入れましたよ!
でも逆に、周りの透明のガラスは、主人が以前吹いていたロンデルを使いました。
昔の板ガラスのように、味わいがあります。




影もなかなか綺麗です。


FAROには、ステンドグラスを作る時の必需品である、
ルーターと呼ばれる、ピースを削る機械がないので、
削る作業が大変でした。

直角が出せないので、はんだが入っていくスペースがガタガタになり、
ラインが笑っちゃうほど太かったり細かったり曲がっていたり、、、

まあ、それはそれ。
こんな風に、ステンドグラスの作品作るのは、学生の時以来だったので
楽しかったです。

これでもう、ケモノ達は入ってこないでしょう、、、

あ、工場長『入れニャイ!』って怒ってましたが、、、



気付いてないか、、、笑

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