『灯台もと暮らし 』西伊豆ガラス工房FARO徒然日記

タグ:ガラスの手形足形


ガラス製のフォトフレームに接着し、お名前やお誕生データを彫刻。

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町からご依頼いただいたお誕生記念品「ガラスの手形」完成しました。

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白く見えるものは、日本最大級の珪石鉱床から採れた地元の珪砂です。
ふるさとの産業遺産を後世に伝える役割も果たしたいなと思って、サンドキャストという技法を選びました。

もう25年になります。

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かつて手形を贈られた赤ちゃん達が、今度は自分の子どもの手形を作ってもらう時代になりました。

目下の目標は、孫の世代まで作ることです。(笑)


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仕事再開後、一番最初に着手したのは、西伊豆町の
お誕生記念品である、『ガラスの手形、足形』の制作でした。

http://fglass.i-ra.jp/e739002.html

指定された納期ぎりぎりまでかかり、大急ぎで役場まで持っていき、
ああ、間に合った、、、とホッとしました。

それとは別に、昨年休業後、お孫さんの手形を取って欲しいと、
地元の方から依頼を受けて、型を取ってありました。
町の赤ちゃんと一緒に、同時進行で制作してありました。

そのおばあちゃまから『そろそろできましたか』とお問い合わせ。

はい、どうぞお越しください。

と返事をして、手形を包んでいるときに、改めて石膏型を見て、ガラスを見て、、、


(あれ????)

ビミョーに石膏型と、残っているガラスの手形が違う。
とっても似てるけど、指の位置が違う、、、


汗がドバッと吹き出ました。
この間、大急ぎで納品した、
町の赤ちゃんの手形と取り違えたんだ!!!

さて、6名の赤ちゃんの誰のものと間違えたのか、、、
脳みそフル回転で、記憶を辿って行きました。

(あの子は足形だったし、あの子達はこんなに小さい手ではなかったな。
あの子は、逆の手だった、、、
あ、最後に失敗してもう一回作りなおした
あの子は??)


失敗した手形が残っていないか探したら出てきました。
まさに、その子の手形とピッタリ

さて、その子の名前、名前、、、

また記憶を辿り、最後に押した石膏型の後ろに書いてあった名前を
必死に思い出したら、その残像が浮かんできました。

(加藤さんだ!)

すぐに役場に電話したかったのですが、土曜日。
木曜日に納品したのですが、みんなもう取りにきてるかも、、、
そう考えたら、ハラハラして気が気ではありませんでした。
月曜も休日で、火曜の朝一番で電話しました。

まだ取りに来てない方がありますか?と尋ねたら、担当の方が
『加藤さんです』とおっしゃった時は、神様~~~と思ったのでした。

ソッコー役場まで取りに行きました。



どうですか?かなり似てますよね??
ガラスになると、もっと似てるんです。

でも、私があんなに慌てて作ったからだなと、反省、、、

黙っていれば、わからないかも、、、
という甘い考えもありました。
完成した手形を受け取っても、石膏型まで開いて見比べる方は
あまりいないと思うからです。

急ぎ、2つのフォトプレートから手形を外し、入れ替えて接着し、
また役場まで届けに行きました。

ママに電話を入れたら、直後取りに行かれたそうで、事情を話すと、

『よく、うちの手形だってわかりましたね!』

と、感心されました。


大失敗でしたが、ラッキーが重なって全てがうまくいき本当に良かったです。




先月、西伊豆町で生まれた赤ちゃんたちの手形や足形をとりました。

町では、年に2回、赤ちゃんを集めて手形足形を取る日があり、
それらを町内3件のガラス工房で、ガラスの手形にして
町からのお祝いとしてプレゼントしています。

会場へ入ると、テレビや新聞の取材記者さんが多くてびっくりしました。
毎年のように、「何回目ですか」と、尋ねられるのですが、いつもうろ覚えで
しどろもどろになります、、、

そうです。
私達がここへ越してきて、ガラス工房を建てたいとお願いした時、
町側から『あなた方が何をしてくれますか?」と聞かれたのです。
「赤ちゃんの手形を作ったり、
吹きガラスの体験教室を開きます。」
と答えたのでした。

工房建設を許され、ガラスが溶けた時、町からガラスの手形を
作って欲しい
と依頼されたのでした。

そして、平成9年4月から10年3月まで生れた子たちの手形を
制作させていただきました。
ですから、今年で17年目になるんですね~~びっくり!

あれから、先輩、後輩、友達の友達が、私達の窯を見て移り住み、
彼らも手形をオリジナルで考えて参加しました。

そんな様々なデザインから、会場でパパやママが選らんだものを、
作ってもらえます。


小さな小さな手や足は、大きくなると忘れちゃうんですよね。
そのままの瞬間を残しておけるって、とっても素敵ですよね。




出来上がった石膏型の手形や足形を、西伊豆町産のガラス原料
『珪石』を粉砕した砂にスタンプしてへこませます。

そのくぼみに、1350度のガラスを一気に流し込みます。
そのまま、徐冷していきます。

翌日、私は砂の中から、まるで古代遺跡から大切なものを
発掘
するような、わくわくする気持ちで、小さな手や足を堀り出します。




プニっと可愛いのに、冷たくて固いガラスであることの
ギャップが堪らないのです。

私だけの、至福の時です。

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