『灯台もと暮らし 』西伊豆ガラス工房FARO徒然日記

タグ:ガラスのお位牌仏具

休業中に工房までお越し頂いて、ご依頼頂いていた天使ちゃんの卵。

http://faroglass.blog.jp/archives/14121647.html

本体もなぜか苦労しましたが、彫刻でもなぜだか上手く彫れず、予備を含む3枚の彫刻シートを失敗してしまい、もう一度業者に依頼し直す事態に、、、

16日の命日に一周忌を予定されているので、本当に間に合うかギリギリまで緊張して、13日に発送出来ました。

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実名の下に、ご希望のハートを入れました。

今日は命日。
法要の日です。

昨日、届いたとメールを頂きました。
お嬢さんのお写真や、可愛いぬいぐるみ、ミルク、小物に囲まれて、お位牌が置かれたお写真も添付してくださいました。

去年の今日は一日中抱っこしていたと書かれています。
亡くなる間際でしょう。

読んでいて涙がこぼれました。

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赤ちゃんのお誕生祝にガラスの手形を納品した翌日。
生まれて1ヶ月で亡くなってしまった赤ちゃんのお位牌を作っていました。

休業中に、パパママ、小さなお姉ちゃんとご相談に見えました。

ママは小さなバスケットに入った熊のぬいぐるみを大事そうに抱えていました。 「娘と同じ身長と体重で作ってあるんです」

小さく生まれたけど元気だったのに、突然内臓の機能が悪くなり、あっと言う間に逝ってしまったと。

保育器でのお写真。
亡くなった時のお写真も見せて下さいました。
退院の時に着せようと準備してあった可愛いドレスが、天使ちゃんたちにとっては最後の晴れ着になってしまいます。

1個目のお位牌は、制作中には見えない金属性の汚れが紛れていてボツに。

昨日、もう一度挑戦。

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私が作るお位牌は、ご家族の想いを映すもの。
純粋に美しくなくてはいけないと思っています。

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生後5ヶ月で天国へ旅立った女の子のお位牌。


 「子供が亡くなって、、、
お位牌をお願いしたいのですが、、、」

 電話口で、パパの声が詰まるのが辛かった。

丸いブルーをご希望だったけど、休業中で作れないので、あらかじめ色々なデザインで用意してあるものの中から選んで頂いた。


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正面に戒名と命日。
底に実名を彫刻。

形が違ったけど、とても気に入ってくださった。

今週末が四十九日の法要だと。
パパとママのところにまた帰って来てくれることを祈って。

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4月の中頃、メールが届きました。


『2月末に妊娠6ヶ月で娘を死産しました。
娘は身体全体がむくむ病気で、医師からこのまま生き続けることは
できないと診断されました。
初めての子でとても楽しみにしていたのですが、
残念ながら死産という結果になってしまいました。

先日の四十九日、主人の実家のお墓に納骨をしました。
今までは娘が亡くなってもお骨がありましたが、
そのお骨も傍から離れ、すごく寂しい気持ちです。

そこでFAROさんに作っていただく心のこもったお位牌があれば、
娘も喜ぶと思いますし、私たち夫婦の気持ちも
穏やかになっていく気がしています。』

と、、、

七夕が出産予定日だったそうです。
だから、七という字のつくお名前を赤ちゃんにつけたそうで、
7色の虹のお位牌を希望されていました。

ところがすでにこの時、私達はとんでもなく忙しい状況で、
新たにお位牌を作る時間はなかったので、在庫から選んでいただく
ことも御提案しましたが、たっての希望で新たに制作することに、、、

2つ作ったのですが、色が濃すぎて自分としては納得できず、
翌日更に2つ制作して、合計4つの中から選んでいただきました。




お選びいただいたのは、こちら。




羽根や身長体重など、どうしようかと悩まれていましたが、
シンプルなお位牌にされました。

展覧会終了まで、待っていただき、終了後に彫刻する
文字のレイアウトなどのすり合わせをいたしました。




1カ月半かかって、ようやく昨日お届けできました。

直後に温かなメールいただきました。
お位牌が、パパとママの気持ちを少しでも慰める存在であってほしいです。


『先ほど五木田さまが丁寧に作ってくださった心のこもった
お位牌とお手紙が届きました。
ありがとうございます。
涙が止まりません。

七夕に産まれるはずだった娘らしく、
七色の虹色がキラキラして、すごく綺麗です。

今日は七夏が産まれて100日目、百か日なんです。
まだまだ心の傷が癒えない私たちに、七夏が
『お父さん、お母さん、わたしはお空で楽しくやってるよ、
大丈夫だよ、だから元気になってね』って言ってくれているようです。

七夏はいつまでも私たちの大切な長女なので、
五木田さまにつくっていただいたお位牌もずっとずっと大切にします。

本当にありがとうございました。』

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