『灯台もと暮らし 』西伊豆ガラス工房FARO徒然日記

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先月、突然みえたお客様が、ショップへ入ってしばらくしてから、

「娘の結婚式で使う、リングピローを探している。
私はガラスが好きだから、ガラスで作ってもらいたい。
こんな感じで作れないだろうか?」

と、私が作ったブルーのハートを持って相談されました。

聞くと、リングピローって、
日本人が商売の為に考えたアイテムなんですって。
私はてっきり、海外での伝統だと思い込んでいました。

「いろいろネットで探したんだけど、何だかその商売に乗っかる
ような気がして嫌だったの。
私はオリジナルのものが欲しい!って探していて、、、」


初め、お客様は

『指輪がはまる『溝』があればいい。』

とおっしゃったのですが、それでは挙式後に
ただの置物
になってしまいますよとアドバイスしました。

いろいろお話している間に、私が以前、試作で作っていた
ハートのプレートをお見せしたのです。
ハートのペーパーウェイトを、平たく潰してくぼみをつけたものでした。

これならば、アクセサリーなどを置くプレートになるわね!
とお客様も喜ばれて、そうすることに決まりました。

「すぐに作ります!」

なんて安請け合いしたのですが、実際は甘くなくて、、、



どうも、だらしない印象になってしまうのです。
お客様は、ガラスの中の色の様子が好きだとおっしゃっていました。
奥行きがないと、多分その宇宙感のようなものが失われるような気がしました。

2つ目も同じく、気に入りませんでした。

これではいかん。
厚みを残しつつ、くぼみだけはしっかりしないと、、、


悩み始めたら、どんどん時間が経ってしまいました。

しばらく別の仕事をしながら、いつも心の中で

(どうやったら、ちょうどいい状態で深くくぼみが押せるか?)

と、悩んでいました。

道具が必要だと感じていました。

どんな道具?丸いものだな、この形状は、、、

(そうだ!!!お玉!!!!!)

とひらめいて、鉄板のテーブルの上に、お玉をひっくり返して垂らし、
置いておいて、そこに表面だけ焼いたペーペーウエイトを押しつけて
成形してみました。



おお~~~~~
ちょうどいい~~~~


ということで、お玉のおかげで、綺麗なくぼみができました!!!

私は結婚指輪がないので、シンプルなものは、1つしか持っていませんが、
乗せてみると、こんな感じですね。

ちょっと滑りやすいのが難点です、、、

お客様に、

『ハートのくぼみに、何か
お嬢さん方へのメッセージとか彫りましょうか?』


と、御提案しました。

お名前と、挙式の日を彫ることになりました。



試作を重ねて、これでいいと思ったのですが、やっぱり不安で
一度見ていただいた方がいいのでは?でもメールアドレスを知らないから、
どうしようかなと悩んでいたら、また時間が経ってしまい、とうとう、
おととい大分から電話をいただいてしまいました。

『すぐできるようにおっしゃっていたのに、1カ月経ったので、、、』

すみませ~~ん、、、
いろいろ一人で悩んでいたのですとお話したら、

『あなたにお任せする!って決めてお願いしたのだから、
大丈夫ですよ。』


と、温かいお言葉をいただきました。

到着後、フェイスブック

「とっても綺麗な仕上がりで、感激しました。」

と、喜びのコメントをいただきました。


お母様からの、愛情いっぱいの結婚式の贈り物。
素敵なサムシングブルーです。

『職場の方へのお祝い返しを作って欲しい』

と、先月オーダーが入りました。

実は、この間書いた、『ガラスの表札』をご依頼くださった方の
双子のごきょうだいの方なのです。

ご結婚されたばかりなのですが、職場の方への
お祝い返しにFAROのガラスを是非贈りたいとおっしゃって
いただきました。

子どものころを知るおばちゃんとしては、とっても感激です。
二つ返事でオッケー出しました。

『以前吹いたグラスと同じようなものを贈りたい。』

と、おっしゃったので、画像を送ってくださるようにお願いしました。

それを見ながら、こんな感じかな?と作っていきました。
色を似せて作るのがちょっと難儀でした。
作りながら、色を増やしたり減らしたりして、似たような
色味に近づけて行きました。

少し大きめのグラスも混ぜて、大小セットで贈るとのことでした。



底にご希望のメッセージとお二人の名前、日付を彫りました。

30個ほどつくって、B品を外し、計24個お送りいたしました。

B品の中でも遜色ないものは、おばちゃんからのお祝いとして
プレゼントさせていただきました。笑

贈られた職場の方も気に入ってくださったそうです。

今度は、赤ちゃんが生まれたら、見せに来てくれるかな~~~



今日は大安吉日。

岐阜のお客様へ、結婚式の引き出物が今日届くように、昨日送りました。

春に岐阜の“うららか”さんの西伊豆ガラス作家展で、お二人に初めてお会いしました。

奥様が、以前からうららかさんで私の夕陽グラスを気に入って、贈り物に使って下さっていたそうで、ツイッターでコメントをやりとりするようになりました。

10月に結婚式をするので、引き出物をお願いしたい。

とご相談を受け、うららかさんで直接お話を詰めることができました。

うずグラスのコバルト色と赤色をペアで49セット。

まだまだ先だから、余裕で引き受けたのですが、それからは余りの忙しさに全く手が付けられないまま、気付いたら9月、、、(T_T)


いざ取り掛かると、急にガラスの状態が最悪になりました。

吹きガラスは、溶解炉に原料を入れて、ただ溶解すればオッケーというわけではありません。

常に綺麗な状態に安定させなければなりません。

しかし、FAROの溶解炉は温度も一定でないので、軟らかさは数十分おきに変わるし、細かい泡が発生するし、最悪な場合は、炉材が内部に溶けだして、小さな白い石のようなものが混じったりします。

引っ掻き傷のような“バリ”と呼ばれる筋にも、今回はかなり泣かされました。

渦巻きに使う色からも、泡が出て弾けたように見苦しいものもたくさん、、、

石もバリも泡も、吹いてから見え始めるので、ああ、これも無駄だ、、、と判ると心底ガッカリします。

吹いたグラス全てがバリだらけで、制作を諦めざるを得ない日もありました。


結局、98個の注文に、50個のB品を出してしまいました。(T_T)

納期が迫っているのに、ガラスに意地悪されている気がして、本当に涙が出るほど悔しい日もありました。

とうとう追い詰められて、(もう無理だから、お客様に謝って、別の引き出物を探してもらおう。)と思うようになりました。


昔の自分なら、本当に諦めていたかもしれません。


しかし、弓道を始めたせいかしら?今までとは違い、

(もしかしたら、自分の心の置き所が間違っているから、悪い方向に進んでしまうんじゃないか?)

と考えるようになり、とことん悪いガラスと付き合ってやろうと思い始めたら、不思議なことに翌日は、嘘みたいにガラスが綺麗になっていました。

それからも、ひどい状態の時がありましたが、もうヤダ!とか怒らないで、心穏やかに淡々と制作するように心がけました。

溶解炉も、るつぼが割れているかもという疑いがあったのですが、気持ちを切り替えたら、また持ちなおしてくれました。


良いことも、悪いことも、全ては自分自身から発生しているのかもしれないなあと、思えてきました。


私は自分の作品全てに

『持ち主を幸せにしなさい。』

と一言かけています。(^-^)

今回は、私の知らない方々49名に、私からのおまじないが届きます。

私の知らない方々が、FAROのことを知ってくださる、、、

本当に素晴らしい機会です。

ご依頼くださったお二人には、心からの感謝を贈りたいと思います。

ありがとうございました!
末長くお幸せに、、、(^-^)




いつも、お知り合いへの贈り物をFAROで
選んでくださる、“大丈夫”さん。

昨年末に、スノーマンを引き取りにいらしたとき、

http://fglass.i-ra.jp/e289973.html

お友達の結婚のお祝いにと、
新たにご注文くださいました。


色や形を相談しながら、デザインを決めました。


大変お待たせして申し訳なかったのですが、
やっとできてご覧いただくことができました。


グラスと小鉢、そして中鉢。
それぞれペアです。


新たな門出に、私共の器が贈られるのは、
本当にありがたく思います。

いつもありがとうございます。(^-^)

この間の、弟の会社の後輩の方の作品、

http://fglass.i-ra.jp/e301573.html

結婚式当日、地上45階の浜松のてっぺんで、新婦へ
贈られたそうです!




弟のレポでは、とっても感動的なお式だったようです。

お二人の大切な思い出のアイテムのお手伝いが
できて、私も光栄に思います。

末長くお幸せに~

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