長文です

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2022.6.8

美しい富士山を後にして、海沿いを1時間半ドライブ。
沼津にある「アトリエかもめ」さんへ。



心機一転、銅版画を習うことにしたのです。

ここは女性画家3人のアトリエです。


サバちゃんという可愛いにゃんこもいる素敵なアトリエ。

私は美術学校を出ていません。

一浪しましたが、どこの美大も芸大も私に門を開いてはくれませんでした。

そもそも進学など土台無理な家庭でしたので、自身の境遇や親に抗ってみただけだったと思います。

小さい頃から絵が好きで、校則で禁止のバイトをして、そのお金で高校2年から通った絵画教室。

友達が少なかった私が本当の友達を作れた場所でした。

絵の具や木炭まみれになって大好きな絵を描いて。
みんなと絵について討論する。

自分をさらけ出せる唯一の場所。
誰もが、私のありのままを認めてくれる場所。

けれど、結局は裕福な家庭の子だったみんなは東京の藝大や美大へ。

学費もなく画力もなかった私はおいてけぼりとなり、就職しました。

お前は絵を描く資格がない。

と言われたような気がして絵筆を折り、お金を貯めてガラスを学びましたが、叶えられなかった夢が、心のトゲとして刺さったまま30年以上経った今も時々疼くのです。

コロナ禍でこの先の人生を色々考えることが増えました。

私の中の

「可哀想だった自分」

を解放したい！

という気持ちが湧いてくるのです。

通信の美大のパンフを取り寄せてみたりしましたが、私が欲しかったのは学歴なのか?とまた悩み。

1年かけてやっと答えが見えてきた気がします。

誰かの評価や、所得や、環境で諦めたことを、誰にも邪魔されずに再開したいのだと。

つい、「売れるもの」やコスト計算をしてしまうガラスとは全く違うこと。

純粋に何かを誰かとワイワイ言いながら楽しく描きたい。

諦めた油絵ではなく銅版画を選んだのはやはり直感なんですが、浜口洋三のさくらんぼの銅版画を思い出したから。

美術の教科書で見た黒いバックに赤がぼんやり浮かぶ絵が本当に美しいと子供心に強く残っているのです。






3人の先生が笑顔で優しく指導してくださって、記念すべき第1回の銅版画はウミウシくんです。

ここから、背景や模様などに違う技法で表現ができるそう。

老眼で削った跡が見えず

「ハズキルーペがいるぢゃないですか！((((；ﾟДﾟ))))」

と叫んだ52歳ですが、10代の頃に戻って自由に描けたら良いなと思っています。

この先楽しくワイワイ描けそうな予感がしました。

先生方どうぞよろしくお願い致します。

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