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伊豆高原 ギャラリーZEROさんでの伊藤賢治さん作品展。

先輩とはいえ、私や主人が学生の頃には既に若手のガラス作家の中では有名な方で、個展や西伊豆へお越しの際に何度かお会いした程度で、会話も一言二言くらいです。

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当時から有名な作品は大きなガラス展や紙面で、幾度となく拝見していました。

2021年に大動脈解離で突然この世を去られたとの知らせは、ガラス界にとっては衝撃的なものでした。

早くから個人工房を立ち上げ、たくさんのスタッフや生徒さんを抱えて、ずっとトップを走り続けていた方です。

後進の指導にも心血を注ぎ、その薫陶を受けた方々は今、ガラス界を牽引する作家達になっています。

まだお若く、どれだけ心残りだったかと。

軽井沢に美術館を作る計画があり、今回その前に作品がZEROさんへ貸し出されたそう。

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久しぶりに伊藤さんの作品と対峙して、ガラスへの想いが溢れていて、あぁ負けたなと感じました。

ここまで私はガラスと格闘できているだろうか?
美しく佇むガラスの中に、凄まじい苦しみと格闘の跡が覗きます。
そして、喜びも。

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草食動物達の瞳のおだやかで美しいこと。
ヤギを飼っていた私たちにも本物に近い優しさを感じました。

坂本さんが分厚い大きな本を見せてくださいました。

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亡くなられてから出版された伊藤賢治さんの制作ノートです。

中身は膨大な手書きのテキストです。

毎年海外からの招待作家のデモンストレーションを開催されていました。
その時の詳細なメモや、お教室での生徒さん向けの吹きガラスの工程や、道具、材料の使い方など、克明に記してありました。

ラストにはガラスの販売方法まで。

『自分の工房を持つ意味 』

の部分には、数行だけど、私と違った"作家"としての視点が書かれていて唸りました。

これから吹きガラス作家を目指す方には、まさにバイブルのような本ですね。

自身の技術や知識を惜しげも無く、誰にでも与え、多くの人に慕われた偉大なガラス作家でした。

「次に作りたいものがあるから、動物を作っている」

と坂本さんに仰っていたそうです。

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坂本さんは「女体じゃないか?とみんなで話している」とおっしゃいましたが、私はきっと空想上の妖精のような奇獣のような美しいいきものなんじゃないかと、最期の作品となったシマウマを見て感じました。

きっといつか天国で見せて貰えると思います。

ギャラリーZEROさんの展示は今日までです。

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KENJI ITO GLASS WORKS

会期 2024年11月15日(金)~25日(月)
時間 13:00~17:00

電話 0557-54-0117

📍〒413-0232
伊東市伊豆高原別荘地1次98

ギャラリーZEROさん

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