個展会場の什器。

昔拾った古く傷んだ箱も、主人に2つに分離してもらいました。

大きい方は、ガムボールマシンのオブジェとブローチ用に。

オブジェを直に箱に接着しようと思ったのですが、ガラスが透けて箱の虫食いがうるさいので、下駄を履かせた板ガラスに接着したら、これがとてもいい具合に浮いて見えて素敵でした。

小さい箱にはイチゴシリーズを飾りました。

ここでも吊るす金具をかなり悩みました。
その金具は上に付ける方が強度が増すのか?
横なのか、裏なのか?
ピクチャーレールのフックの厚みの兼ね合いも考えていました。
現場に行ったら、もう大工仕事をすることができません。
搬入は速やかに無駄なく設置できるよう考えて準備しました。

中国から届いた額縁は、気に入らない色合いのものはペンキで好きな色に塗りました。
灯台ブローチ用に青く塗ったのも良かった。


ソックスブローチは、ロープにズラっと干されているようにしたかったので、横にうんと長い額縁を探して買いました。

ブローチ作品のディスプレイは、どの背景も自分で描きました。
一方、悩まなかったのは虹色のカタツムリです。

掛け軸のように、縦長で這わせる様子が頭に浮かんでいたので黒いステンドグラスの板に並べて、周りを半田でカバーして輪っかを付けました。

とにかく時間との勝負で、苦しい状況ではありましたが、今振り返ると辛さは微塵も思い出せません。
長い間苦しんで追い詰められると突然アイデアが浮かんで作品になったり、難問が解けたりしました。
短期間でものすごい集中力と実行力を発揮して、まるで覚醒したような日々でしたが、一つ一つクリアしていく度に
(私はこの日のために、色々吸収していたんだ)
と、感じられる瞬間がいくつもありました。
パウダーフュージング技法も水彩画や銅版画も、学んでいたからできた作品がいっぱいです。
什器にしても、行き詰まった時に代替可能な資材が身の回りで見付かって、
「拾っといて良かったー!」
と叫ぶほど助かったことも何度もありました。
今の自分のタイミングだから、この個展が可能だったと感じています。
細すぎて、正確に数えられなかったけど、約170点以上の作品で何とか埋めつくした展示室。
スタッフの皆さんが、
「こんなに沢山の作品をありがとうございます!」
と口々におっしゃるので不思議に思っていたので担当者の方に伺ったら
「毎回30点程なので、五木田さん本当にたくさん出品してくださってみんなで喜んでいるんです!」
と。
当初の企画書をもう一度確認したら、
"出品希望作品数 およそ30点"
と書かれてた( ̄▽ ̄;)
単純に会場の広さから逆算して作ったらこんな数になっていました。
通常の約6倍の作品数、、、
それは皆さん驚いたことでしょう(笑)






















