『灯台もと暮らし 』西伊豆ガラス工房FARO徒然日記

2024年11月

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日曜日、行ってきましたー!
立川の 海上保安試験研究センター で行われた『 デジラリー'24『』

灯台のレンズを平成8年までここで作っていたことも知らず、灯台マニアの第一人者 不動さん@toudai_doudai.fudo のポストで知りました。

一般公開がこれが最後だと。

えー!!
ガラス工房に"FARO"と名付けた灯台好きなガラス作家が、それを見ないでどうする!

三連休、京都駅でのぞみ遅延、遅れてきたひかりのドアが開いたら、戸口までぎゅうぎゅう(⊙⊙)!!

何とか乗り込んだけど、通勤電車並みの混雑ぶり(T^T)

もううんざり。

それでも若干手元に空間ができたので、「灯台の光はなぜ遠くまで届くのか」を読みながら、気持ちを落ち着かせて我慢。

吐き出されるように東京駅で降り、立川駅からバスに。

初めて来たけど、立川ってとっても緑が多くて素敵〜♥️

と、目の前に急に開けた場所が。
そうか!自衛隊の基地があるんだ!
その先に目指す海上保安試験研究センターがありました。

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門を通って、スタンプラリーやクイズの紙を貰い、センターに入ってビデオやポスターを見て、ぐるっと裏へ回り、いよいよ窯とご対面!

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海上保安試験研究センター 熱処理室。

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大きな電気炉が2基あり、左側はガラスを冷ましながら歪みを取る『 徐冷窯』
右側が成形する『加工窯』

私は勝手にガラス溶解炉があるものだと思って来たのですが、そうだよね、電気炉だよねと。(笑)
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平成8年まで稼働していたそう。

今で言うところのフュージングという技法です。
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予め用意したガラスの塊を鋳型に入れて適度に軟らかくなるまで高温で焼成し、三角にヘタらせて、更に弧を描くようヘタらせて形作ったのだと私は理解しました。

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「すくめ台」という名称を初めて見ました。
「目板」も。
質問してくれば良かった、、、

とにかくパッと見、ガラスの重さが尋常じゃないとわかるし、長いし、ボコボコだし、これを壊すことなく、エッジを適切な角度にしながらピッカピカに磨き出す技術は、超絶技巧だなと震えました。


#FAROはイタリア語で灯台
#デジラリー 
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伊豆高原 ギャラリーZEROさんでの伊藤賢治さん作品展。

先輩とはいえ、私や主人が学生の頃には既に若手のガラス作家の中では有名な方で、個展や西伊豆へお越しの際に何度かお会いした程度で、会話も一言二言くらいです。

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当時から有名な作品は大きなガラス展や紙面で、幾度となく拝見していました。

2021年に大動脈解離で突然この世を去られたとの知らせは、ガラス界にとっては衝撃的なものでした。

早くから個人工房を立ち上げ、たくさんのスタッフや生徒さんを抱えて、ずっとトップを走り続けていた方です。

後進の指導にも心血を注ぎ、その薫陶を受けた方々は今、ガラス界を牽引する作家達になっています。

まだお若く、どれだけ心残りだったかと。

軽井沢に美術館を作る計画があり、今回その前に作品がZEROさんへ貸し出されたそう。

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久しぶりに伊藤さんの作品と対峙して、ガラスへの想いが溢れていて、あぁ負けたなと感じました。

ここまで私はガラスと格闘できているだろうか?
美しく佇むガラスの中に、凄まじい苦しみと格闘の跡が覗きます。
そして、喜びも。

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草食動物達の瞳のおだやかで美しいこと。
ヤギを飼っていた私たちにも本物に近い優しさを感じました。

坂本さんが分厚い大きな本を見せてくださいました。

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亡くなられてから出版された伊藤賢治さんの制作ノートです。

中身は膨大な手書きのテキストです。

毎年海外からの招待作家のデモンストレーションを開催されていました。
その時の詳細なメモや、お教室での生徒さん向けの吹きガラスの工程や、道具、材料の使い方など、克明に記してありました。

ラストにはガラスの販売方法まで。

『自分の工房を持つ意味 』

の部分には、数行だけど、私と違った"作家"としての視点が書かれていて唸りました。

これから吹きガラス作家を目指す方には、まさにバイブルのような本ですね。

自身の技術や知識を惜しげも無く、誰にでも与え、多くの人に慕われた偉大なガラス作家でした。

「次に作りたいものがあるから、動物を作っている」

と坂本さんに仰っていたそうです。

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坂本さんは「女体じゃないか?とみんなで話している」とおっしゃいましたが、私はきっと空想上の妖精のような奇獣のような美しいいきものなんじゃないかと、最期の作品となったシマウマを見て感じました。

きっといつか天国で見せて貰えると思います。

ギャラリーZEROさんの展示は今日までです。

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KENJI ITO GLASS WORKS

会期 2024年11月15日(金)~25日(月)
時間 13:00~17:00

電話 0557-54-0117

📍〒413-0232
伊東市伊豆高原別荘地1次98

ギャラリーZEROさん

#伊藤賢治
#ギャラリーzero 
#吹きガラス作家

昨日主人と伺ったのは、伊豆高原のギャラリーZEROさん。

ガラス学校の先輩でもある、故 伊藤賢治さんの作品展があるとDMいただきました。

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オーナーの坂本さんは、当時私が始めたばかりのブログの読者で、ガラスもご注文下さっていましたが、私はそれを知らずに偶然ギャラリーへお邪魔して驚かれたというすごいエピソードがあります。

https://faro.i-ra.jp/e45556.html

その後やり取りはありませんでしたが、数年前にガラスのボタンを作れないかと連絡があり、私は色々実験したのですが、穴を開けたり最適な厚みに作ることが出来ず壊れてばかりで、結局ご期待に添えなかったことがずっと心残りでした。

実は私たち、誕生日が同じ山羊座同士。(リンク記事参照)

この16年間は冥王星の影響で、山羊座にとって苦労の多かった時代だと占星術界隈では言われていましたが、冥王星が20日に水瓶座に動き、今後の山羊座は足枷が解かれたように自由になるのだそう。

偶然出会ってからまさに16年!
このタイミングに届いたDMは、なんだか呼ばれたような気がしました。

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1時間半かけて久しぶりに伺ったら、あの時ご病気で大変そうだったご主人がお元気になられていて、坂本さんのお顔も晴れやかで安心しました。

あの時ボタンが上手くできなくて、、、

と話したら、

「そうだったかしら?」

とお忘れで、私はガッカリさせていたとばかり思っていたのでホッとしました。(笑)

この16年間は東京から移住してのギャラリー立ち上げから、ご主人のご病気やお友達との別れなど様々ご経験されていました。

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これからは自由に日々楽しんで参りましょう!

と二人で笑いました。

#伊豆高原
#出会い
#山羊座 
#同じ誕生日 
#ギャラリーzero 

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すっかり忘れていましたが、先月テレビ取材のオファーが西伊豆町からあり、対応させていただいていました。

先程、昨日東京で偶然出会って、お互いのSNSのフォロワー同士になった方に

「昨日お会いしたばかりでこの偶然!」

と、偶然つけていたテレビに私が登場して驚いたとDMを頂き、あぁそうだったと思い出しました(笑)

それにしても、すごい偶然です(⊙⊙)!!
この方は、たまたま東京に住む息子さんに会いに鳥取から東京へ見えていたのですから。
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フジテレビさんの番組ですので、関東の皆さんだけがTVでご覧になれるのですが、放送後すぐに動画配信されました。

https://www.fujitv.co.jp/machikado_palette/archive/059.html

鰹節とガラスと海と夕陽

ぜひご覧ください(˶ᐢωᐢ˶)

#街角パレット
#フジテレビ
#ガラスの町
#西伊豆町
#町おこし
#珪石


さて、新築祝いのガラスセット。
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青や緑系の色ガラス制作は順調でしたが、いざ黄色とオレンジの色ガラスになると問題発生。

黒点が出るわ出るわ。

この系統の色は、ちょっとでも金属の道具で触れると化学変化で黒くなってしまうのです。

鮮やかな色だから、サビのような点はとても目立ちます。
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1度も触らないよう細心の注意を払っても入る。

理由は、そもそも色ガラスに金属などが混ざってる。
それと、FAROの焼戻しの窯の灯油バーナーの回転体にカーボンが着きやすく、それが炎と一緒に炉内に撒き散らされ、炙っているガラスに、そのカーボンが飛んで付着するのではないかと。

錆やカーボンは、見た目ではほとんど見えない微細なものですが、次にガラスを巻いて被せると化学変化を起こして黒くなり、吹き延ばされ大きくなります。
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これ見つけた瞬間一気にやる気そげ、それが連続するともう途中で捨てます。
だって、続けても意味ないんですもん。

とはいえ、ワタクシ海千山千の古参ブロワーですから、投げ出すことはしません。

大声で一発叫んで、何事も無かったかのようにもう一度トライします。

あんまりできないので、1度お客様にご相談したら、特に気になさらないとおっしゃってくださったのですが、やはり私自身が気になってしまう。

受け取るのはこのような事情を全く知らない方々です。
しかもお祝いです。
(なんだ、こんなものを贈ってきた)
と、ご依頼主様への印象も悪くなるかもしれません。

だからここは我慢。
ガラス工房も弓道場も、精神修養の場です。

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手持ちの色ガラスで、あれこれ実験して他の色を組みあわせてオレンジがやっと完成。

やれやれと全色並べると、

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あれ?この青いガラス、なんだかツブツブすぎてキショい。
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このグリーン、黄緑が面積狭すぎてツートーンになってない、、、

などなど、気に入らずに作り直したりして、ほんと何個作ったかしら?てな具合で全色完成。

でも終わりではありません。IMG_0012

底にゴロがあったり、斜めのものが多いので、研磨が必須。

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平盤で平らに削り、飛び出たりえぐれたりしていたらダイヤで上げ底に削ります。

削れてザラザラになった面を、砂の番手を上げて何度も磨いていきます。
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まだすりガラス状態なので、磨き粉をつけて木盤で磨き、仕上げにセリウム粉をつけてフェルトで磨くと、やっとピカピカになります。

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結果、磨き粉まみれになります(笑)

研磨は吹きガラスでグラス吹く時間の何倍も時間がかかりますし、機械はどれも高速回転するので、気を抜くとうっかり吹っ飛んで落ちて割れます。

溶解炉を止めた後なので、壊れたらオーダー自体キャンセルになってしまう為、本当に最後の最後まで気を抜けませんでした。

無事にお送りできて、本当に良かったです。

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