『灯台もと暮らし 』西伊豆ガラス工房FARO徒然日記

2014年05月



二日間かけて、新作かも風鈴の注文をこなしていました。
なかなか、頂上のエッジが出せなくて、苦労していました。


脳内「少年少女合唱団」が、
「富士山」エンドレスで歌い続けてくれていました、、、:(T-T):

次回コンサートは、組み立ての時だと思います、、、

さて、この間展示作業を終えた「かも風鈴デザインコンテスト」

http://fglass.i-ra.jp/e766216.html


今回、私が制作担当したデザインの風鈴をご紹介。



これは、小さな男の子の作品。
卵の殻から黄身が落ちる様子らしいです。

殻の質感と、黄身の色をデザイン画に合わせて制作しました。




これは、『クリームソーダ』

赤い部分は、チェリーだそうです。




”虹色の風鈴の中に、ハートが透けて見えるように”という指示の合ったデザインです。
ですから、わざと淡い色で制作しました。




『虹と言ったら、淳子ちゃんだよね!』

と、他の作家さんたちが私にこのデザインを渡しました。
普段作っている虹の風鈴と同じ色で、丸く吹きました。




これは、地元の方から選ぶ「ふるさと賞」
小学生の子でしたよ。

最初、ガラスの細い色棒を溶かしながら波や太陽を描いたのですが、
翌日見たら色が割れていてボツになりました。

結局、エナメルで絵付けして、ガレージで温めて、
棹にピックアップして再度高温で焼く、、、という作業で仕上げました。




で、今回、とっても苦労したのはこのダルマ

私の息子の名前も福なので、このダルマのお腹に『福』の字があったのを見て、
工房賞に選んだのはいいのですが、良く見ると、

(こんな『福」って漢字、ないよな~)

って。笑

ま、それはいいとして、デザイン画通りに仕上げるにはどうするか?

宙吹きだけでは表現できないと考えて、宙吹き、文字はサンドブラスト、
高温エナメル絵付け、ガレージにキープしてのピックアップ、、、と
とんでもない作業を経て制作しました。

最初、エナメル絵付けで顔を描きこむのも、長い時間かかりましたが
なんとか仕上げることができました。
そのまま寝てしまったのですが、翌朝、見に行ったらなんと!




号泣しているではありませんかっ!!!!

泣きたいのはこっちだよ~~~~とぼやきながら、シンナーできれいに
拭き取って、再び長い時間かけて丁寧に描き込みました。

また垂れてしまっては困るので、すかさずドライヤーで強制的に乾燥~
今度は泣かれないで、ガレージに置くことができました。


もうひとつ、苦労したのは



『アジフライ』

フライのカラッと揚がった質感を出すのに、どうしたものか???

粒度の違うガラス粒を溶着し、そこへ還元するアンバーを溶着。
焼き戻し窯で還元させ、ギラギラとした色にしました。

それも苦労したのですが、もっと頭をひねったのは、尻尾です。
色に悩んでしまいました。

結局、やはり還元する青い色を付けることにしました。

そこに、小さな『ソース』ビーズをぶら下げました。

静岡新聞松崎支局さんのツイッターでも、紹介されていましたよ。




ここに載せたのは、あくまでも私が制作担当したデザインだけで、
他の2工房さんでも、同じくらい制作しています。

楽しくて、ちゃんと音色を楽しめるガラス風鈴は、唯一無二、ここだけです。
ぜひぜひ黄金崎クリスタルパークさんへ、お出かけくださいね。

そして、今年のデザインコンテストに、奮ってご参加ください。
来年は、あなたの描いたとおりの風鈴が届くかもしれませんよ!





GWの最中、吹きガラス体験のお客様をこなしながら、
2か所の展示会に向けての制作、加工、搬入と
連日の深夜作業を経て、ヘロヘロになりながら
何とか無事納品できました。

すでにどちらも開催中です。

まず、滋賀県、近鉄百貨店草津店さんの4階美術品売り場にて販売中です。

〒525-8515
滋賀県草津市渋川1-1-50
電話(077)564-1111(代表)
https://www.d-kintetsu.co.jp/store/kusatsu/index.html

こちらは、夏中開催予定だそうです。


それから、昨日、15日から始まった
宮城県松島にある、藤田喬平ガラス美術館さん。




西伊豆町在住ガラス作家の会のメンバー6名での展覧会です。

7年ほど前にも、一度開いていただきました。
その時のポスターの写真は、私の大きなイチゴの入れ物の
作品でしたが、今回は、主人の赤い抹茶椀のアップです。


他の作家さんも一緒に、5月23日に会場に向かいます。
当初、私が行く予定でしたが、都合で主人が会場まで
行くことになりました。

24日15時から、作品のレクチャーがあります。
質問形式で進めるようなので、お近くの方はぜひその時間に
合わせてお出かけください。


~ガラスアートの新世界~
「西伊豆ガラス作家展2014」



2014年5月15日(木)~6月18日(水)
9:30~最終入館17:00(閉館17:30)
※最終日は14:00まで。※月末最終日は16時まで営業。

〒981-0215 宮城県宮城郡松島町高城字浜1-4
TEL:022-353-3322
FAX:022-353-3330
http://www.ichinobo.com/museum/exhibition/index.html




この間の金曜日、黄金崎クリスタルパークさんに、
西伊豆元気製作所のメンバー集合。

昨年募集して決まった、『かも風鈴デザインコンテスト』
入賞作品の展示飾り付けでした。

私は、4月26日からず~~~~~~っと働きづめで、
この日もヘロヘロだったので、長男に助っ人を頼んで、二人で行きました。

毎年、紙に描かれた奇想天外なデザインを、私達FAROと、
光箱さん、GGGさんが手分けして立体ガラス作品に仕上げます。

しかも風鈴なので、鳴らないといけません。

だから、私たち自身も、他の作家さんがあの絵を!どうガラスにするのか?
楽しみな瞬間です。




手前の、、、GGGさんですが、本当に質感まで鐘です!!びっくり。

奥の音符も、デザインを見た時、

尻尾を付けたら風鈴ひっくり返るよね~

なんて話していましたが、テグスでバランスを取ってありました。
さすが!




手前のやどかりも、絵では頭の方しか描かれていなかったのですが、
GGGさん、こまかくお尻の方まで仕上げていらっしゃいました。

奥の、光箱さんのおはじきいっぱいの風鈴も、絵があの通りに描かれていて、
一目で(めんどくせー)って感じでしたが、苦労して作っていらっしゃいました。




今年、一番ウケたのは、やっぱりGGGさんの『肉!』ですかね~

お肉のピンクと白の脂肪の混ざり具合まで表現されていて
しばらく笑いが止まりませんでした。

で、毎年最優秀賞は、各工房が同じ作品を作るという決まりです。
これは、如実に各工房のカラーが出る、一番の見どころでもあります。




さて、今年の最優秀賞は「世界遺産」

1年ずれた感がありますが、昨年のコンテストですから、、、笑

左側が光箱さん、真ん中がFARO、右側がGGGさんです。




今回のデザインの一番の難関が、ぶら下がっている伊豆半島と、西伊豆町です。





私は、裏表が緑と白のお皿を吹いて、伊豆半島の形に削り出し、
高温エナメルで、西伊豆町を焼きつけ、その後低温で『西伊豆町』の
文字を絵付けしました。

苦労しました~

だから、他の作家さんがどう仕上げてくるか?私も楽しみにしていました。

それぞれの苦心の様子がわかって、とても面白いです。


今日も、お仕事終了しました。

体験もこなし、展示会の作品を吹き終え、今明日の為にガラス原料を投入しました。

重たい鉄のレードルで、溶解炉のるつぼの中に残った、灼熱のガラスをかいだし、25キロの原料を持ち上げるつぼに投入します。

ガラス工房に就職した時は、ガラス原料は一袋30キロで、持ち上げるのに一苦労でした。

汗みどろになって、朝から先輩方のアシスタントで駈けずり回り、毎日必死でした。

『重いから持ち上げられません』

とは、口が裂けても言いませんでした。

女だから、、、は、通用しません。

私の替わりは、いくらでもいました。

だから、軽々と屁でもない様子で、マスクもしないでこなしたものです。
可愛かったなと、、、(笑)

あれから23年経ちました。

独立した今では、私の替わりは私だけです。

今更、

『重くて持てなーい(´Д`)』

って言っても、誰も助けてくれませんが、、、(笑)

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