*****長文・毒吐きご注意願います*****
初めは、お客様から作ってほしいと頼まれて始まった
ガラスのお位牌の制作。
今では年間30件ほど、承っております。
そのおひとりおひとりに、たくさんのドラマがあり、思い出があり、
依頼される方の想いもあり、、、
とにかくその全て、しっかり受け止めて制作しなくてはならず、
本当に毎回真っさらな状態から、困難な過程を経て完成させています。
そうして出来上がったお位牌を、お客様が心の底から喜んで
くださった時、私の苦労が報われます。
一方で、ごく稀に、私の心と通じ合わないで終わってしまうお客様との
出会いもあります。
それはなぜか?猫のお位牌の方に多くて、、、
私も猫を飼っていますので、猫のこと、よくわかっているつもりですが、
猫の顔や全体的な身体のフォルムは、立体にするのはとても
難しい動物です。
すでに3年前の話ですが、、、
猫を亡くされた女性が、ご相談の電話をくださいました。
白くて長毛の猫だったそうですが、私が作っている卵の形のお位牌が
猫のような感じにならないか?ということでした。
デザイン画を描いて欲しいとお願いしたのですが、何となく猫のように
なっていればいいから、後は私に任せるとおっしゃいました。
他には、耳と鼻はピンクでなくてはいけないなど、細かい指示がありました。
そのとおり仕上げるのに、何度も失敗してやっと完成したのに、、、
『思っていたのと違う』
という理由で、あちこち小さな難癖をつけて、最終的には
『いらない』
とおっしゃって、そのまま音信不通、、、、
私の苦労は水の泡と消え、かかった時間と経費は回収できないままとなりました。
その年の秋、やはり猫を亡くされた方からのご依頼。
今度はデザイン画が送られてきました。
羽根のイメージだとおっしゃっていましたが、そのデザイン画は
私には羽根には見えないものでした。
けれど、そのような感じがご希望なのだと、その通り制作にかかりました。
地震が心配だから、できるだけ重心は下に。どっしりと。
ということもおっしゃっていました。
デザイン通りにするのはとにかく難しく、サイズも大きかったので、
ガラスが重く、切ったり焼いたり伸ばしたり、、、
2回失敗して3回目は1時間以上かかりました。
汗だくで何とか近いものができた!と冷ましに入れました。
その翌日、写真を撮って送りました。
「とてもうれしい」とお返事いただきました。
その後も、猫の足跡をいっぱい彫るように指示があったので、
細かな彫刻の為に、大変なマスキングをして彫刻。
そこでもまた写真を撮って確認していただきました。
「早く見てみたい!」というお返事だったので、急いでお送りしました。
翌日、メールが届いたので、喜んでくださったと思いながら開くと、、、
『あんなグローブのようなものに、お金を払うなんて!
でも、注文は注文だから、お金は払いましたから!』
と、大変お怒りのメール。
私は何度も写真を送っているので、まさか!とオロオロしてしまいました。
デザイン画と、私のガラスを見比べても、大きな違いはないように
思えます。
いただいたデザイン画では、奥行きやサイドからの形が分からなかった
からだろうと言うと、伝わっていると思っていた、とお客様。
その後も、言った言わないのやりとりやら、小さな話のずれを
指摘されて弁解したり、、、
お客様も立体の作家さんだそうなので、粘土で作って一体どんなフォルムが
希望だったのか、もしかしたら、今のお位牌を削って、ご希望の形に
直せるかもしれないから、作って送ってほしいとお願いしました。
送られてきた紙粘土の理想像は、デザイン画とは全く違う形で、
地震で倒れそうな底で、このニュアンスはデザイン画からは想像できなかったと
お返事したら、
『やり直せないなら、初めからそう言えばいいじゃない。』
と、また怒らせてしまい、、、
お客様のメールは、私が今まで生きてきて初めて受け取る
ひどく人を傷つける攻撃的なものであり、次の時は全く
逆に優しかったり、、、
私は疲れてしまい、お金を返すからもう終わりにしてほしいと頼みました。
『ブログに書いても構わないけど、私のこと、ただの悪者にしないでね。
伊豆に遊びに行った時はよろしくね。』
と、締められたメールに、驚愕したのでした。
なぜ?猫のお位牌のお客様だけに限って、こうなるのか?
私には分かりませんが、それからは猫のお位牌や、オブジェは
極力お断りしています。
お客様は“神様”とは言わないまでも、大切に思っています。
だからこそ、ここまで誠意を尽くして制作するのですが、それをただ
「気に入らない」
と、ひとことで片付けられるのは、本当に辛く悔しいものです。