『灯台もと暮らし 』西伊豆ガラス工房FARO徒然日記

2013年10月

虹ばっかでしつこいけど、7色の花器、やっと揃いました〜(-ω-)

もー、腕が痛すぎる。
でも、続けて吹かないと、記憶力の悪いわたしは、作り方をすぐに忘れるから、一気にやっつけたかった。

まだまだ気に入らないものがあって、やり直したい気持ちですが、とりあえず一段落つけないと、腕がダメになりそうなので、、、

あと1〜2作品、12月までに作らないといけませんが、今度は虹ではなく、星空の作品を構想中です。(^-^)

ここのところ、本当にお仕事がんばっていて、
夜はへとへとでパソコンの前で寝落ちしてしまい、
記事アップまで行けない日々が続いております。

クリスタルパークさんでの企画展に向けて、大物の制作をしています。
いろんな色の大きな花器を7色並べてみたいと思って、、、

それがなかなか大変で、青と緑は2回も失敗。
赤も1回失敗していて、今やっと5本できましたが、
すでに8本も吹いてる、、、泣

とにかく重くて、長くて、ずっと回していなくてはならないので、
今は両腕の肘と手首が腱鞘炎で辛いです。

そんなお疲れモードのわたしですが、金曜日に
『かんなみ仏の里美術館』さんへ行くことができました!!

http://www.kannami-museum.jp/

ガラス作家の会の視察で行くことになったのですが、
ず~~~~っと行きたかったので、すごくうれしかったです!!!

展示室へ入る前、ガラスの向こうに見える仏像群が見えた時、
ものすごい鳥肌が立ちました。




一木造りの薬師如来坐像と、その背後で守る十二神将立像を前に座り、
しばしの魂の交歓は、素晴らしい時間でした。

そして、左側から見守る阿弥陀如来と侍立像は、まるで金属で
できているかのような重厚さとなめらかさが美しく、見惚れました。

十二神将立像は、皆頭に干支の彫りものが乗っていて、お顔の
憤怒の形相とにつかわしくなくて、本当に可愛く、
そのギャップが面白かったです。

特にうさぎなんかは、まるで雪に葉っぱを挿して作ったウサギみたいで、
めちゃくちゃ可愛い~


美術館ができた時、みなさん、手が取れてなかったそうですが、
(サイトをみていただくと、手が無いのがわかります)
最近、元々安置されていた薬師堂の奥のリンゴ箱の中から、
昭和11年の新聞にくるまれて手が発見されたそうで、
すこしずつ修復しながら展示されているそうです。
すごい話ですね~

仏様それぞれの、そこかしこにいちいち感心してしまう私でした。
本当に癒しの空間です。

まだ、行かれたことが無い方は、ぜひぜひお出かけください。
あ、美術館さんは、しずおか景観優秀賞も受賞されているんですよ。

ちかくに、隠れキリシタンが守ってきた『マリア観音』様がいらっしゃると
展示で知ったので、今度はそちらに伺いたいな~と思いました。 

http://kannami13.sakura.ne.jp/culture-maria.html

最近、行きたいと願った場所に次々行く機会ができて、幸せな気分です。




帰りは、「ナマステ」でカレーランチしてきました~
夕御飯まで、胃がもたれました~
つかれてるんですね~笑


今年の初め、主人が何気なくつぶやいた

「たんぼやってみたいな~」

という言葉を聞き逃さなかった農業委員の方が、
ソッコーで、田んぼを辞めるという方と話をつけ、

「空いた田んぼがあるから、やってみないか?
わからないことは、皆教えるから!」


と、気付いたら田んぼをやらざるを得ない状況に、、、

冬の間から、地主さんと耕したり、肥料を入れたり一緒に準備していました。

春になり、もう一度土を起こして、肥料をやり、籾を買って、
培養度に撒いて、育て始めました。

そんな時突然、主人の妹さんが余命わずかだとの連絡。
主人は全てを投げ捨てて、千葉に飛んで行ってしまいました。
戻ってきても、毎週のように千葉へ介護に帰りました。

私は、ひとりで家を守り、いよいよ田んぼに水を入れました。
ところが、上手く入れることができず、入った水は毎日モグラのせいで空に、、、
隣のおじさんの畑が、毎日のように洪水になっていて、
そのたび嫌味を言われて泣きたくなりました。

(今日は、叱られませんように)
と、祈る気持ちで、毎朝、毎昼、毎夕、田んぼを見に行きました。

水が何とか入るように師匠達が手伝ってくれて、苗も何とか育てました。
アルバイトもしていました。だって、窯が壊れたままでしたから。
主人の気持ちは、すっかりガラスから離れてしまっていました。

(ああ、もうこのまま、ガラスは終わりかな~)

そんな風に思いながら、いよいよ代かきの日になりました。
一人ではとてもできないよと、師匠達がトラクターで駆けつけてくれました。
私は後ろから、トンボを使ってへとへとになりながら、均していきました。

そこへ、主人から

「今、眠るように亡くなった。」

と、電話がありました。

「たんぼのことは、もうどうでもいいから、
そのまま放っておけ。」


そう言われたけど、私は悔しくて、そのまま続けることにしました。

田植えを目前にして、告別式の為、家族で斎場に向かいました。

「嵐が来る前に今日田植えしておいたからね。
ゆっくりしておいで!」


と、師匠から電話がありました。
師匠達が田植えをしてくれたのです。
帰ってきて、苗がず~っと続いている様子を見て、本当に感激しました。

主人の気持ちはなかなかガラスに向かいませんでしたが、
3か月ほど経って、突然窯を直してくれました。
田んぼも、私に代わって世話してくれるようになりました。
モグラとの戦いは壮絶でしたが、へこたれずに頑張っていました。

7月の水害では、砂礫で水路が詰まり、田んぼに水が来なくなってしまいました。
こんなに頑張ってきたのに、、、と、悔しかったけど、
自然には勝てないし、なるようにしかならないと思っていました。

しかしそのころは、ちょうど『中干し』といって、少し地を固くするために
水を止める時期に当たるそうで、1週間ほど止まっても大丈夫!と、
師匠達が元気づけてくれました。

水路が復旧し、再び水が入った田んぼは、ものすごいひび割れで
悲惨でしたが、それでも稲はちゃんと育ってくれました。

先月、クラフトフェアから帰ったら、今年一度もガラスを吹かなかった主人が、
グラスを吹いていて、びっくりしました。

黄金色のグラスを、、、

先日、子どもたちと家族四人で稲刈りをしました。
田んぼの稲は、日を浴びて本当に眩しいくらいに輝いています。




お米の籾の周りには、キラキラと輝く透明の毛がいっぱいでした。

イネ科の植物には、”プラント・オパール”と呼ばれる、植物性のシリカが
含まれていて、それでお米が透明に輝いていたり、葉っぱが
ギザギザして手が切れたりするんだそうです。

ガラスの主原料である珪砂も、シリカから成ります。
以前、

”ヤギのウンチを集めて溶かすとガラスになるらしい、、、”

と、試していらっしゃったヤギ飼い仲間さんがいて、本当にガラス質の物質ができていました。

ヤギもイネ科の植物が大好きで、ウンチにはいっぱいシリカが含まれているんです。

ガラスとお米、、、
思いがけず、共通項があるとわかり、不思議だな~って思うのです。

そして、お米を作ることができたという経験は、私に不思議な自信をもたらしました。

『生きて行くために必要なお米を、私は作ることができる』

主人も、深い悲しみから立ち直ろうとしています。

田んぼからは、本当にたくさんのことを学び、感じさせられました。
助けてくださった、全ての方にも感謝の気持ちが溢れてきます。
大変だったけど、素晴らしい経験でした。
大変だったから、来年やるかどうかは別としてー(笑)

あとは、新米をいつ食べられるのかな~



米はいいから、藁くださ~~~~い!!!

ええっと、、、

この間、苦労してできた気球はこんな感じになりました~




夕方の逆光だったので、トーンが暗いですが、
美術館でライトが当たれば、
また全然違った色になると思います。

とりあえず、1点完成してホッとしてます~


ところで、先日、クラフト作品販売サイト「Creema」さんで
インタヴューを受け、只今掲載中です~

http://creema.tumblr.com/post/63714973977/faro

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