『灯台もと暮らし 』西伊豆ガラス工房FARO徒然日記

2013年09月

春に、電話がありました。
松島の喬平美術館さんからでした。

『以前、お求めくださったお客様が、
またモザイクタンブラーをお探しでしたので、
連絡先をお教えしました。』


とのことでした。

その昔、喬平美術館さんは、大量に私のモザイクグラスを販売して
くださっていましたが、ある日行き違いがあり、それからはお取引は無くなりました。

お客様は知らずに、また訪ねてくださったそうで、美術館さんも親切に
私へわざわざ知らせてくださったのです。

するとすぐに、そのお客様からお電話。

窯が壊れているので、今は在庫がありません。

と、お詫びしたのですが

東日本大震災で、求めたタンブラーが全て壊れてしまった。
また揃えたいと思うので、
いつになっても良いから作ってほしい』


とおっしゃいました。

7月に窯が直ったけど、夏の繁忙期でなかなかとりかかれず、
とりかかった後も製作にかなり時間がかかりました。

お客様は実物をご覧になれません。
たくさんある中から、御自身が好きなものを選んでお求めいただくことが
できないので、

こちらからは、最高に良いものを送らなくてはいけない

と思うのです。

だから、ガラスが綺麗に溶けている日を選び、製作後も少しの泡や、
色の抜けを検品して全てはねていったら、結局5客の御注文に、
10客以上吹くことになりました。




やっと、おととい送ることができました。

それでも不安なので、発送前にお電話で、「気に入っていただけるか心配です。」
と、お伝えしましたが、『そんなことはありませんよ!』と、長い間
お待たせしたにも関わらず、温かい言葉をいただきました。


『ガラスは壊れちゃうから、要らない!』

と、この間のクラフトフェアでも、目の前できっぱり言ったお客様がいました。
実際、そう思われる方が多いと思います。

そんな中、こうして、壊れても再びお求めくださるお客様がいる、、、

とってもとっても嬉しく、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

『もうガラスなんかやらねぇ!俺はガラスが嫌いだ』

と、春からガラスを吹いていなかった主人。

いろんなことがあったから仕方ないし、やりたくなかったら、
それでもいいやと、何も言わずに私がひたすらガラスを使っていました。


浜名湖から帰ってきたら、、、

なんと!主人がガラスを吹いているではありませんか?????

工房の隅に何年も放置されていたガラス原料を、どんどん使って
すっきりさせたい!って急に思ったようで、アンバーを溶かしていました。

それで、今度は少し大きな水盤を吹くというので手伝いました。
主人の製作を手伝うのは、何年も無かったと思います。

で、この原料。実は地元でとれたガラス原料の『珪石』から作られた、
正真正銘の“賀茂ガラス”なんですよ~

今日、ガラスが無くなるまで、主人が毎日ガラスを吹いていました。
その光景を眺めるのはとっても素晴らしい気持ちでした。

さてさて、そんな中、うっかり吹きガラス体験の予約を入れていたのを
思いだし、色がついているから、体験には不向きではないかとお客様に
連絡しようと、連絡先のメモを探したのですが見つからない、、、

そうこうしているうちに、当日になってしまい、お客様が予約時刻に
お越しになりました。

お叱りを受けるのを覚悟で『今日はお詫びがあります、、、』
と、主人が吹いているグラスを見せたら、

『ああ!すごくきれいな色です~大丈夫です!』

と、言ってくださいました!!!!

アンバーに合う色って、すごく難しかったので、3人であれこれ悩んで、、、

結局、白と紫にしようと決めました。

若くてかわいい女性2人組。
とっても楽しそうに、お互いの製作風景を写真に納めていました。

楽しかったです!!!

と、笑顔でお帰りになりました。




良いお客様で、本当に良かったです。

で、最終日の終了時間に、西日を強烈に浴びながら本部前で表彰式。




若いころから、とんと御無沙汰だった

”作品の評価を受ける”

という場面があり、(コンテストだからあたり前だけど、、、)
有名な陶芸家の先生が、私の作品について
あれこれ良い部分を教えてくださいました。

ここ20年、お客様が私の批評家だったので、こういう風に
芸術家の方にあれこれ言って頂くのは新鮮な感覚でした。


大賞、準大賞の2名、奨励賞2名、審査員特別賞1名の
6名が座ったのですが、私の隣に座られた、特別賞を受賞された、ミニスカート美女
「よろしくおねがいします」と挨拶して顔を上げたら、


(???????)


で、『彼女』が表彰されている後姿を眺めていたんですが、
本当に足がまっすぐで美しく、「すごく足が綺麗ですね!」
と、思わず話しかけてしまいました。

『ウフフ、、、
もう50も半分過ぎちゃったから、
出せるうちに出しとかないと!
って思ってねぇ、、、』


とおっしゃっていました。

とても身のこなしが優雅で、素晴らしく、
女なのにガサツな私は見習わんといかんな~と、魅入ってしまいました。


反対側に座った、もう一人の奨励賞の方は、蛇革で作ったバッグで
受賞されたそうで、先生の解説によれば、海に自分で蛇を捕まえに行き、
食べ、そして革を獲る
のだと、、、すげーーーーー!

向こうに見える、賞品の数々の中で、彼がもらうのはテレビであろうと
分かっていたので、「テレビですよ!賞品」と話しかけたら

『え~~~~!!
うち、テレビいらんから、アンテナも無いのにー
どうしよう、どっかで売れへんかな』


と、すごく困った様子だったので笑いました。


それから、今年からトロフィーの用意があるという説明が入りました。

隣のテーブルにずらりと並んだ、グレーの石、、、、、

(もしかして、、、、天竜川の石???)

と、半分冗談でつぶやいたら、本当にそうでした。笑


私達たちは、

『クラフトマン、アーティストの原石』

ということで、天竜川の上流の気田川まで、芸術大学の先生が行って、
自ら石を持ち帰り、トロフィーにしてくださったそうです。




重!!!!

磨いても光らない河原の石”が、今のわたしなのね???笑


閉式後、背後から学生さんが

『あ、これが、”石”を入れる箱です!』

と、箱を手渡され、笑っちゃいました。


帰宅後主人に見せたら、

『原石っていうのは、磨けば光る宝石をいうんだから、
これはやっぱ”ただの石”
なんじゃないの???』


と、鋭い突っ込み入れてきました。笑

良いんです。もらえるだけ。
この間の、東京タワーの写真展の銀賞なんか、賞状さえも貰っていませんから。

よく見れば、ちゃんと置けるように、底が平らになっている石を
選んで作ってくださったんだろうなとわかりました。

帰宅後早速、ショップに飾りました。


授賞式中に、出店者のほとんどがすっかりやってしまっていた撤収作業を
閉式後、私も急ピッチで進めました。

この日は、上の弟と母が来てくれて、私が不在中も、母が黒い
扇子
片手に、飲み屋のママよろしく、

『あ~それは似合わない。
こっちの方がいいと思う』


など、私にはとても言えない〝フランク”な調子で、お客様に
アクセサリーを勧めてくれていました。大笑

撤収作業も、母と弟がかなり手伝ってくれて、すごく助かりました。

まとまったので車を取りに行き、近くまで入ってきたらスタッフの方に

『荷物はまとめてあるか?』

と聞かれ、あそこのテントのところにまとめてありますと話しました。

すると、ものすごい形相になって怒り、

『ダメ!ダメ!
この道のすぐそこまで持って来てないと、ダメだよ!

チッ!

いっぺんここから出て!!


いや、それじゃ皆の迷惑だから、、、
もーいいや、そこバックで戻って、
その辺に停めといて!!』


と、ぎゃんぎゃん叱られました。

授賞式中、説明は聞けなかったし、そのあとは、遅れを取り戻すのに
必死で、あれこれアナウンスがあっても、耳に入りませんでした。
しかも、荷台は車に載っていたので車を持ってこないと話にならなかった。

がっかりして、テントに戻ると、あれ?荷物が無い!

私が叱られている間、弟がちゃんと、その指定場所まで
運んでくれていたんです。

『もう、そこに運んであります!って言えば良かったのに』

と、笑われました。なんだ~~~

すぐに戻って、「あそこにありますから、車動かします!」

って言ったら、早すぎるから嘘ついてると思われたようで、
ものすごく怪訝そうにこちらを注視されてしまいました。

うっかりミスなのに、あんなに怒らなくても、、、


まあ何はともあれ、荷物もうまく積みこめて、私の疲れは
去年の半分で、とっても早く帰宅することができました。

母と弟に心から感謝しています。

で、賞品は、、、





馬鹿でかいラジオ。

主人に見せたら

『おお!前に、欲しいな~って思ってたんだ!』

と、喜んでくれました。

売り上げは、蓋を開ければ、昨年よりも少し良かったんです。

来場者数は、1日目が2万人弱。2日目は、大渋滞で閉会後に
やっと来ることができた方もいるくらいでしたから、もっと
いらっしゃっていたでしょう。

いろんな出会いもありました。
それはまた次に書くことにします。

とにかく暑くて、水分いっぱいとったのに、一度もトイレに行かずに
済んだくらいです!!

大変だけど、楽しいイベントでした。

私を怒鳴ったスタッフさん含め、多くの方に会期中大変お世話になりました。
みなさんいつもニコニコしていて、毎回感心するんです。
(怒らしちゃったけど、、、笑)

これだけ規模が大きくなると、大変だろうと思いますが、
これからも頑張っていただけたらと思いました。
ありがとうございました。


思いがけず、

『アートクラフト大賞・奨励賞』

をいただいてしまいました。(@_@;)

後で表彰式がある模様、、、(汗)

glass yuuさんに、

審査にエントリーすると、出品許可されやすいらしい

と言う『都市伝説』を聞いていたので、出してみただけ。

本当に想定外で、びっくり。


さて、本日売上は、さっぱりで、、、

今更ですが、よくよく考えるに、安いものと、
アウトレット商品しか売れてない
ってことに、気付きました。(-ω-)

仕方ないですね?


会場に来るまでの道が大渋滞のようです。

みなさま、お気をつけてお越しくださいませ。

昨年、雨に泣かされた浜名湖アートクラフトフェアですが、今朝は大変よい天気に恵まれて、楽しみにセッティングしました。

が、よい天気どころか、

“良すぎる”

天気になり、汗だく状態。(@_@;)

次男も、フェアの趣旨を全く理解できずについてきた為、ため息ばかりついてうるさい、、、(-ω-)

周りの作品見て回っておいで!楽しいよ!と言っても、

『疲れるだけだ、、、』

とか、

『別に良いのないし、、、』

とか、ブーたれてました。
知るか!ほっとけ!(`ε´)

と、私。

10時開催に何とか間に合うようにセットアップして、しばらくはお客様も様子見でしたが、段々と売れ始め、ホテルで夜なべして詰めたエコグラスナゲットがよく売れました。(安!)

アウトレットのガラスから売れ始め、少しずつ中の作品も。
だけど、やはり高いものは動きにくい会場ですね?

お手頃感が必要な印象です。(^-^)

何人かのお客様が、

『去年、あのグラス買わせてもらって、毎日使ってますよ!(^-^)』

と声をかけてくださって、とっても嬉しかったです。(≧▼≦)

次男は、数時間へこたれてましたが、うろうろしているうちに、連射できるワイヤー製のゴム鉄砲を見つけ、買ってやったら、

『ここ、楽しー!(≧▼≦)』

だって、、、

やっとクラフトフェアの意味を理解した模様、、、(笑)

いくつかの、素敵なエピソードがありましたが、それは帰宅してからゆっくり書きます。

今日も頑張りますo(^-^)o

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