西伊豆へ来る一年前に拾ったカンジ。

能登島から遠路遥々連れてきて、私達が工房を建て、家を建て、入籍し、子ども達が生まれ、、、と、15年以上もの長い間共に暮らした家族です。

春に、ちぃちゃんがやって来た直後様子がおかしくなり、猫AIDSを発症していると診断されました。

ひどい口内炎に苦しみ、赤いよだれを垂らして、毛もボサボサになりました。

ブラッシングをひどく痛がり、触らせてくれなくなりました。

そーっとなら、触らせてくれます。

微かに聞こえる『グルグル』に、元気だった頃のカンジを想い、切なくなります。

口の中が痛むようで、ご飯が食べられず、行ってしまいます。
カリカリを止めて、猫缶を与えていましたが、それも噛めなくなって、ペースト状の猫缶にしました。

それも、深い器だとヒゲが当たって痛いのか嫌がるので、お皿にしましたが、気分の波によって嫌がるので、スプーンで与えたり、手に乗せて与えたりしています。


その猫缶も嫌がる日が増えてきたので、最終手段として魚を与えることにしました。

初日は喜んで食べましたが、もう食べません。


イカならどうか?とみじん切りにして与えたら食べたので、それに猫缶を混ぜて与え続けるつもりです。


しかしすぐにまた嫌がるでしょう。

ガリガリに痩せて、触ると背骨がトゲのように私の手に触れます。


病院の先生は、歯を全部抜けば口内炎は楽になると言ったそうです。


そんなことは、かわいそうで出来ません。


ボロボロの雑巾のような、今のカンジ、、、

それでも、私はいとおしく思えます。


そろそろ、点滴を受けに行かなくていけなくなるでしょう。

さようならの時期が近いことを感じます。


愛するものを失った経験のある人はご存知でしょう。

あの時、ああしておけば良かった

ああできたのに、なぜしなかったのだろう


と、後悔することが一番自分を苦しめるということを、、、


今まで飼ってきたペットは、飼い方も間違えていたり、まだ幼くて他のことに気を取られて可愛がるのを先延ばしたりと、本当に申し訳ない接し方しかしてこなかったと後悔しています。

父に対しても、あの時会いに行ってやれば良かった。もっと優しく答えれば良かった、、、と今でも思う日があります。


父が亡くなってから、普通の毎日が幸せで大切な瞬間なのだとわかりました。


だからこそ、カンジには毎日話しかけ、抱っこし、健康に気をつけ、共に眠りました。

私と出逢う全ての人、カンジは人じゃないけど、、、
いつも一期一会なのだと思うのです。

去年の事故で、このことを更に強く感じるようになりました。


だから、もしもその時が来たら、私は悲しまないと思います。

泣くと思うけど、精一杯可愛がることができたから、後悔はしないでしょう。


あとどのくらい、彼のニャーという声を聞けるのかなぁ、、、