3月の終わりに、お電話がありました。

『結婚10周年記念に、妻にプレゼントしたい。』

ダイビングが趣味で、出会いも海。新婚旅行も西表島。
毎年記念日に、西表島や、石垣島の海へ潜るのだそうです。

夜のディナーの時に、奥様に見せてびっくりさせたいということでした。


昨年、kissyさんご夫妻に制作したオブジェを、
ブログで見つけてくださったそうで、それを基に
しながら、何か作って欲しいとおっしゃいました。

そして、二人の結婚生活の本当に支えとなった、2匹の
猫ちゃんたち
も盛り込んでほしいということでした。


”何か作って、、、”

というのが、私たちにとっては一番自由であるように思われ
がちですが、いえいえ、このデザインを構成したり、制作
方法を考えるのが、実は一番大変なんです。

表には見えない作業なので、出来上がりと、請求書が
釣り合わない!と思われる方も多いのです。

ですから今回も、初めは渋ったのですが、代金の上限を
もしものために高めにお伝えして、納得いただいてから
お引き受けしました。

さて、それにしても何かイメージできる言葉や、
モチーフはありませんか?とおたずねすると、
ちゃんとデザイン画を送ってくださいました。




後から、こんな画像も届きました。



一度、奥様が水深35メートルで、パニックになりかけたとき、
手を握って落ち着いた、、、というエピソードがあるそうで、
その時の、お二人の絆のようなものを表現してほしいという
ことでした。

はてさて、、、、


手を握っている、、、




手足の長い珍しい種類の猫、、、

どうやって1つのオブジェにしたらいいのかと、かなり思い
悩んでしまいました。

ずいぶん製作期間があったのに、全く形が決まらず、
とうとう5月になってしまいました。

送り先が離島なので、早めに送らないと間に合わないそうで、
意を決して、とりかかりました。



海のイメージはすぐにまとまったのですが、手を握っている
部分がうまくいかず、1つ目は途中でひび割れてしまいました。

そして、あんまりリアルすぎると、気持ち悪いというのも分かりました。

もうちょっとデフォルメして、分かる人には分かるという雰囲気で
収めることにしました。







外側ができても、更に難関のニャンズが待っていました。

予想はしていましたが、1匹あたりなんと1時間!もかかって
何度も割りながら、トライし続けて、ようやく形に、、、

猫って、鼻先や額の表現が難しく、すぐにリスやキツネみたいに
なってしまいがちなので、大変苦労しました。



でも、画像を見ていただいて、そっくり!と喜んでいただけました。




すべてが収まった完成図~~~




ニャンズは、2匹立たせるのが難しく、手の部分に
両面テープを貼って仮止めしました。

接着しちゃうと、お掃除大変だと思ったのです。





背面には、フリーハンドですが、日付と、メッセージを彫りました。

そんなこんなで、何とか形にして、急ぎ西表のレストランへ。

沖縄に荷物を送る時は、テロの警備上、中身を見せなければ
ならないと、初めて知りました。

到着後、レストランのオーナーさんが、割れていないと確認して
くれたと連絡があり、本当にホッとしました。

奥様は、果たして気に入ってくださったか、、、
とっても心配でした。

高い買い物したのに、どぶに捨てたようなものと思われたら
どうしようと、本当に心配でした。

後で、お写真を送ってくださいました。

ディナーの後のデザートの時、プレゼントも一緒に
テーブルに運ばれたそうです。

ニャンズの細かいところも再現されている、、、

と、とっても驚いて見て下さったそうです。

本当にうれしかったです。

これからも、末永くお二人とニャンズとで、暖かな毎日が
続きますように。

お幸せに。