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弓の稽古に行きました。
先生が、「ちょっとこれ、引いてみて!」と、恐れ多くもとんでもなく
高価であろう弓を引かせてくださいました。

離れの瞬間、フッと力が抜けて、弦が切れたことに気づきました。
しかも、矢は的に中りました。

先生の大事な弓を壊したのではないか!と、頭真っ白になって
振り返った私に、先生と先輩が笑いながら、

『おめでとう!』と言いました。

『弦が真ん中から切れて、的に矢が中るなんて縁起がいいのよ!』

だから、切れた弦を持ち帰りなさいと。

私は思わず

「うちに帰ったら、猫が戻ってきてるかな、、、」

とつぶやいたのでした、、、



その4日前、、、11月17日。

その日、猫工場長は河川敷の方へ歩いていました。
暖かく良いお天気でした。
私はカメラを持って、追いかけました。


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いつも通りの場所で立ち止まり、いろんな気配を探っていました。
彼女は耳がほとんど聞こえません。
でも、何かの気配はわかるようです。


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私はいっぱい写真を撮りました。

これが最後になるなんて、この時は露ほども思いませんでした。

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彼女はそのまま、山の方へ遊びに行きました。
山ガールなんです。

この6年間、平気で野山を駆け回っていました。

雨の日に、突然やってきて、飼ってくれと言ったのでした。

http://fglass.i-ra.jp/e896325.html


その半年後、カンジが亡くなりました。

http://fglass.i-ra.jp/e896352.html

自分が居なくなったら、皆がさびしがるだろうからって、
工場長を連れて来たのかもねって言ったのでした。


思えば、能登島で働き始めた25年前、ヨモギを拾ってから

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私と主人の間には、ずっと猫がいました。
ヨモギを拾って2年後に、主人がカンジを拾ったのです。

2匹を連れて西伊豆へ来ましたが、借家からここへ引っ越す時、
ヨモギは姿を消しました。

17日の明け方、外で猫の騒ぐ声が聞こえたと次男が言っていました。
もしかしたら、喧嘩して深手を負ったのか、、、
あまりに興奮して記憶が飛んで、うちが分からなくなってしまったのか、、、

いや、、、
猫工場長は、仕事を再開した私達の為に、全国に営業に回っているんだ。
元気にあちこち歩き回っているはず。

そう思っています。

だって、そう思わないと、今年は全ての白い家族を失ったことになります。

ウコッケイも、ヤギーズもみんないなくなってしまいました。
そこへ工場長が居なくなるなんて、耐えられません。

だから、いつかフラッと帰ってくるって、私達は思うことにしました。

皆さんのところにも、立ち寄るかもしれませんね。
見かけたら、私達が待っていること、知らせてください。