『灯台もと暮らし 』西伊豆ガラス工房FARO徒然日記

2014年01月

昨年末、

『口元が欠けてしまったグラスを直すことができますか?』

とのお問い合わせの電話。

見てみないと分からないというお返事をしたら、実家が近くなので
帰省がてら、持ってくださるとのこと。

持って来てくださったグラスは2客。

フランスの超有名クリスタルガラスメーカーのグラスでした。

『とっても大切なグラスだったんですが、何にもしないのに
口のところが気付いたら欠けてて、、、

メーカーに電話しても直せないって言われて、、、

本当に大切なのに、使えなくて残念で、、、
直していただけるのでしたらと思いまして。

でも、あまりお高いのでしたら、諦めます。』


NEC_0016


原因があって結果があります。
何にもしなかったら、グラスは欠けないでしょう。

このグラス、底が2センチもある大変重いものなのですが
口元は本当に繊細に薄い、、、


たとえば、このグラスを洗って水切りする場合、柔らかいタオルなど抜きで
どこかに伏せたら、グラス自身の重みで口元が欠けるかもしれません、、、

いずれにせよ、クリスタルガラスは軟らかく傷つきやすいのが特徴です。

この極端に違う厚みのせいで、
加工中に歪みが生じて割れるかもしれない、、、

というリスクがあるので、正直自信がありませんでした。

けれどお客様は、今の状態ではどうせ使えないし、
割れても構わないからトライしてほしい
とのお返事。

できるだけ安く上げたいということなので、一周綺麗に削るより、
欠けた部分を馴染ませながら削る方をお勧めしますとお伝えし、
その方法で直すことになりました。


『で、おいくらでしょうか?』

と問われ、主人と相談してお伝えしたら

『え?そんなに安くやっていただけるんですか??
なら、これもお願いします!』


と、新たに2客のピルスナー登場~

あれれ???また安く言いすぎちゃったかな?

フィンランドを代表する食器メーカーのピルスナー。
こちらはソーダガラスだから、硬いだろうね。

ということで、計4客のグラスを修理することになりました。

大切なグラス、、、
壊れたら本当に申し訳ないので、なかなか勇気が出ませんでしたが、
昨日、寒さに震えながら研磨しました。

欠けた部分が消えるまで削るので、口元は水平よりも少し
たわんだような感じに削ります。

その後、丸くなるように削って行って、最後は磨き。

NEC_0017


ほとんど分からないように研磨できました。
ピルスナーも硬かったけど、何とかご要望通りに修理できました。

きっとお客様は、大切な思い出を思い起こしながら、
グラスを傾けられるでしょうね。

指をザクザク切りながら(@_@;)シコシコ作っているのは、工房のドアの窓部分。

分厚く吹いた板ガラスで周りは埋まっていましたが、中央に大きく開けたダイヤ型の窓を埋めるには、もっと大きな皿を吹いてカットしなくてはなりません。

台風で壊れたドアを、鉄筋で主人が作りなおしたのですが、その大きく開けた窓を本人が埋められないまま何年も経っていました。

で、そこから、野良猫や椋鳥、燕、更にはアナグマまで出入り自由で、暖かな工房に住み着く有様、、、(-ω-)

先日、ゴミ当番で戴いたステンドグラスの板で埋めて!と、主人からの丸投げ依頼で、私がやることに。(~ヘ~;)

拾ったガラスですから、私の好みではないのですが、何とかうまく使ってあげたいし、黄色いドアにマッチするようにして、自分も気に入るデザインにするのはかなりな難問。

窓は四枚。
一枚一枚、黄色と合いそうな板ガラスとにらめっこしながら、自分の吹いたガラスと組み合わせて仕上げていますが、何分、ステンドグラスは学校でさらっと習ったっきりの“インチキ”な出来で、大変お恥ずかしい、、、(T_T)

一昨日、ステンドグラスを昔習っていたというお客様がいらして、『おぉ!こちらはステンドグラスもされるんですか?』と聞かれてすごく恥ずかしかったです、、、(-ω-)

半田のラインはヨレヨレのガタガタですが、とりあえず獣と寒さ避けが目的だから、へたっぴでもまあいいか〜(≧▼≦)

毎日、ある制作に励んでおります。

それに組み込むパーツを、シコシコ削っています。

今日は、以前失敗した夕だるまを電気炉で溶かしたものの周りを削ってみたのですが、メチャクチャ可愛くて、萌〜(≧▼≦)



旧年中は大変大変お世話になりました。

激動の2013年、皆さまの支えがあってこそ
乗り越えることができたと痛感した1年でした。

いろいろあって、おめでとうは差し控えさせていただきますが、
2014年も、どうぞよろしくお願いいたします。

私達の工房の名前の由来である、ムラノ島のFARO (灯台)です。

手前にある、鳥のオブジェ『虹』というタイトルが、
また私にリンクしていると思いませんか?

鳥たちのように、私も自由に飛び立ちたいと思っています。


で、ガラス作家のみなさんは大抵、毎年干支を作られますが、
私にはそんな技量がないので、ヴェネツィアの偉大なマエストロ
Napoleone Martinuzzi氏の作品『Cavallino』を御紹介。



80年前の作品ですって!!!
今もモダンで、しかも可愛いですよね~

私も頑張ろう!

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