『灯台もと暮らし 』西伊豆ガラス工房FARO徒然日記

2013年11月

おととい、テレビ番組の撮影をしましたが、今日再び、
私達の作品だけ別撮りで、撮影隊がお越しになりました。

焼けているガラスを撮りたいということだったので、
いらっしゃる時間に合わせて、電気炉を動かして待っていました。

工房のあちこちに置いたガラスを、時間をかけて撮影してくださいました。




オファーがあったのは1カ月前でした。
伊豆をめぐるロケを考えていらっしゃるとのことでした。

ゲストは、教育評論家の尾木直樹先生でした。
先生の主催する研究所は『虹』と言う名前。
それで、虹と言うイメージで、何気なく見たファロのホームページで
私の作品にピン!と来たと、1週間後にロケハンで来られた
ディレクターの女性が話してくれました。

伊豆は他にどこを取材されるんですか?と尋ねたら

「それが、、、
どこへ行っても、ファロさんのこと、
御存じな方でびっくりしたんです!」


宿は、修善寺の新井旅館さんだそうですが、こちらで以前
展覧会をさせていただいたことがあり、その後ショップで販売して
いただいたり、お食事で出すグラスを、サザエグラスにしていただいたり、
風鈴をお求めくださったり、、、そんなご縁があるんです。

お昼御飯は、戸田の丸吉食堂さんだと。
丸吉さんは、仲良しのサムソンさんの御贔屓だし、
ブログやフェイスブックでも時々拝見することがあります。

それぞれが、知り合いだなんて面白いですね!

で、彼女は私と同じ名前、歳も一つしか違わないママで、
雰囲気もサバサバ男らしくて、まるで私みたい!

不思議な親近感があって、話は盛り上がり、取材をお受けしたのですが、
彼女は、次のロケハンの赤沢まで行くと、すっとばして夜の道を
走って行きました。

後に残された三脚発見!!!!

慌てて追いかけ、後ろにつけ、何度もパッシングしたり、クラクションを
鳴らしたりしたのですが、全く気付かず、
かえって速度を上げられる始末、、、

10キロほど走って、もう諦めようか、、、と思いながらも、室内灯をつけて
手を振る作戦に、、、

すると、やっと気付いてくれて、渡すことができました!!!
ああ、夕御飯時の往復40分の旅でした。汗

で、この間の撮影の日も、シャーペン忘れて行きました。

今日来た時に、「今度は忘れものしても
追いかけませんからね!」
と釘を刺しておきました。笑

撮影当日は、ブローチを作っていただくことになっていました。

私は知りませんでしたが、尾木先生は、いつも違うブローチを
おめしになるほどのブローチ好きなんだそうです。

実際、思っていた以上になかなか大変でした。
先生が手作りでなにかを作るということはあまりされたことがないと
言う話だったので、単純なものになると想定していたのです。

難しいと思われた場合に備えて、簡単にできるように、
虹色の板ガラスも焼いて用意しておきました。




が、実際は、かなり手の込んだ虹色の作品を作ることを望まれて、
それに沿うように、一緒に悩んで考えて、完成させました。

『大変!これは大変だわ~』

と、すごく苦労された様子だったので、後で『嫌な体験だった』と
言われていないか心配だったのですが、楽しかったとおっしゃって
いたそうで、ホッとしました。

テレビで拝見する、そのままのとってもいい方でした。
息子たちと一緒に写真を撮っていただきました。

ということで、ブローチ代、2500円いただきました。
後は割れないで出てきてくれれば、送るだけです。


どんな作品になっているか、ご覧になりたい方は、
12月21日 朝日テレビ系列 
朝8時からの『朝だ!生です 旅サラダ』

是非ご覧くださいませ~


すっかり季節は秋から冬へ、、、
秋はどこに行っていたのか????


さてさて、葉っぱ箸置きの台紙が好評なので、
落ち葉箸置きにも作ってみました。




夏に、息子の柔道の大会で行った武道館のそばの、
九段坂の靖国神社の高燈篭の写真を撮ったのですが、
良い景色だったので使ってみました。

良い味だしてませんか??

で、先ほどの記事と説明が逆になりましたが、現在ガラス溶解炉はメンテナンスの為、火を消して停止中です。

窯の燃料費が工面できたら、また再開いたします。

それまでは、吹きガラス体験とオーダーメイドの注文は承ることができません。

在庫のある作品の販売は、随時行っております。

お電話いただいてから、お越しくださいませ。(^-^)

お待ち申しあげております。

今日は、この後“虹”に関係するゲストをお招きして、テレビ番組の撮影です。

現在、FAROのガラス溶解炉は、メンテナンスの為止まっています。

ですから、吹きガラスの撮影がなさりたかったら他の工房さんをご紹介いたしますよ。とお伝えしたのですが、吹きガラス体験は、番組で何度も取り上げているのでこだわらないと、、、
(そのうち、1回は、まさしくFAROでの撮影でした、、、)

そんなわけで、通常出張教室がメインのフュージング体験を、特別にFAROで行うことになりました。

したがって、散らかり放題の工房を、昨日から片付けなければならず、、、(T_T)
そして、要望どおりに作品を周りに配置しました。

こんな感じで、果たして大丈夫でしょうか、、、(-ω-)

9月の浜名湖アートクラフトフェアでのわたしのブースで、
サザエグラスに見入る方がいらっしゃいました。

何度も触っては、離れてみたり、奥様と話し合っていらっしゃいました。

そのうちに、他の作品に挿してあったお香を持ってきて、
グラスに入れ、そのお香を取り出す仕種を繰り返していらっしゃいました。


一体、何に使うんだろう、、、

怪訝そうな私に、

『お線香を入れるのに、ちょうどいいなあと思いまして、、、(^-^)』

と、おっしゃいました。

過去に、お花を入れる、、、という方にはお会いしましたが、
お線香を入れるという方は初めてで、驚きました。

『いやー、角度が、ちょうど良いなって、、、』

なるほど、、、

側では小学生の可愛らしいお嬢さんが、小さなワンちゃんとずっと待っていました。

奥様が、

『貝が好きだったから、、、ね?』

と、小さくおっしゃいました。

どなたの仏具なんだろう?
貝が好きだなんて、大人ではないだろうなあ、、、

と、何となく感じました。

気づくとワンちゃんが私の足元にやってきて、ものすごくリラックスしたように
足をうんと伸ばして、ぺったり座り込みました。

お二人は、サザエグラスをお求めくださいました。

仏具やお位牌も制作しますよとお話ししたら、『本当に?』と
すぐにでも、西伊豆へ相談に行きたい!と、おっしゃるので、
子ども達の運動会が済んだら、いつでもどうぞ。とお伝えしました。

早速次の次の日曜日、吹きガラス体験も兼ねて、FAROへお越しくださいました。

楽しそうにガラスを吹かれ、

『こんなに大変な手間をかけて、ひとつずつ作っているんですか?』

とご主人は、とてもびっくりされていました。


香炉と、燭台を作ることになり、山のような没作品の中から、
色やデザインを話し合って決めました。

燭台の没作品を眺めていたご主人が、

『ほら、これ、中に貝殻が入っているみたいだよ!』

と、奥様に見せていらっしゃいました。

思い切って、どなたの仏具か尋ねてみました。
六歳の息子さんを、脳の病気で亡くされたばかりだと話してくださいました。
あぁ、だからお姉ちゃんの目の奥にも、暗いものが見えたんだと理解しました。

『香炉に、ビー玉を付けることはできませんか?』

と、奥様がおっしゃいました。

ビー玉で、いつもお父さんと遊んでいたそうです。

ビー玉を付けるのは、難しいけど、ビー玉のような足をつけることは
できますよ。と御提案して、デザインは決まりました。

DSCN1917


難しいと思ってトライした香炉は、意外にすんなりできました。


一方、簡単に考えていた燭台が、かなり難しく、苦労しました。

初めてのデザインで、カップの部分のつけかたがいつもと違い、
綺麗に仕上がらないし、外側の模様をねじるデザインで、
内部までも変にねじれてしまい、ご主人がつぶやいていた

『貝みたい』

というには程遠くなったり、、、

DSCN1915

結局、3回失敗して、4回目にやっと納得いくものになりました。
DSCN1913


こうして、完成作品をご家族の元へ送りました。

奥様から、後日メールが届きました。

想像していたとおりにできていて嬉しかったこと、
息子さんが亡くなってから、久しぶりに出かけた先のフェアで、
サザエグラスと出会ったことが書かれていました。


使っていらっしゃる様子を、お写真で知らせてくださいました。

img20131115_095107

まだまだ悲しみは続くと思いますが、楽しかった思い出を
偲ぶ品になって欲しいと思いました。

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