『灯台もと暮らし 』西伊豆ガラス工房FARO徒然日記

2013年03月

ワンちゃんの手形を作って欲しいと、静岡から、
フェリーに乗ってご家族がお見えになりました。



一目で高齢のワンちゃんだとわかりました。
瞳が真っ白だったのです。




目が見えないので、とっても震えていました。
怖がっているので、数秒で粘土に手形を採りました。

パパが抱いていたので、ママとお嬢さんがスマホで手形を
採っているところを写真に納めていました。


クリアのガラスの写真たてに接着するので、その盾に裏側から
なぞれば、手書きのメッセージなどをそのまま私がなぞって
彫ることができますよ!

とご提案したら、皆さん喜んで、お嬢さんが代表で
ワンちゃんの名前や生年月日、今日の日付と

『家族の末っ子!』

『あいらびゅー』


など、いろいろ書いていらっしゃいました。

皆さんの様子を拝見すれば、とにかく愛情たっぷりに育った
ワンちゃんだとわかります。




小さな手形が採れました。

この後、石膏を流して型を取り、西伊豆の珪石を砕いた砂に
スタンプして、1400度近いガラスを流し込み、ガラスにします。

ワンちゃんがいつか天国へ渡っても、肉球のプニっとした
様子がいつでも思いだせる手形になることでしょう。

お電話で、

『割れてしまったランプシェードを
作りなおしてもらうことは可能ですか』


とお問い合わせがありました。

お店で使っているランプで、長さ45センチ、直径12センチの
筒状の火屋を割ってしまったのだそう。

FAROの焼き戻しの窯の奥行きは45センチもないので、
無理ですとお断りしたのですが、やっぱり何とかならないかと、
再度お問い合わせが、、、

製造元に聞いてみたら?と聞くと、

『オープン時、何個かのランプシェードと、ランプの器具をセットで
内装業者に設置してもらったので、そこへ問い合わせしたら、
一つだけ作るには50000円かかると言われた』

とおっしゃるので、実物を拝見していないけど、吹きガラスで
そんなに大きな火屋をオーダーメイドで頼んだら、それくらい
するかもしれませんね、、、とお返事しました。

『ぜひ1度見てもらって、たとえば割れたところだけ切り取って
もらうとかできませんか?』

と、本当に困った様子だったので、FAROまでお持ちいただきました。




拝見したら、私が思っていた吹きガラスのものではなく、理化学系の
薄いパイプの両端を焼きなまして、穴を開けたように見えました。

これで5万円か、、、う~ん、

『実は、自動車修理関係の友達に、ウォーターカッターで
一度切ってもらったんです。
そしたら、余計ヒビが入ってしまって、、、』

筒状に切断するには、ちょっとコツがいるんです。
一気に切断しようとすると、必ず割れます。

気をつけてトライしてみますが、このヒビが走ってもっと割れる
可能性もあるので、それでも構わなければ承ります。

と、お答えしたら、了承してくださいました。




ガラスはちょっとづつ、1周をゆっくり進めながら、薄皮を
切るようにして段々深く切り取っていくのです。

最後の薄皮1枚を切る瞬間が、一番割れやすく、緊張するところですが、
主人がやっておいてくれました。




更に、油やヤニで茶色くなっていたガラスをきれいにしてくれました。

うまく切れましたよ!
とご連絡したら、車で1時間以上かけてすぐに飛んでこられました。

嬉しそうに帰って行かれて、私も嬉しく思いました。

アルバイトから帰った主人に、幾らもらったの?と聞かれたので
話したら

「え???
理化学ガラスで、硬くってかなり苦労したのに、
そんな安くしちゃったの???」


って呆れられました、、、


やっぱり、私って商売下手なのね~~~



今日は、4月2日オープンの黄金崎レストハウス
「こがねすと」
行きました。

旧黄金崎研修センターの跡地に完成しました。

研修センターは、町の有志の皆さんが、私と主人の結婚披露宴を
開いてくださった思い出の施設でしたので、無くなるのはとっても
残念でしたが、かなり老朽化が進み、耐震性もない状態だったため
取り壊されたのでした。

さて、新たに誕生した「こがねすと」
木そのもののを生かした建物で、中に入ると木の香りが
とってもすがすがしい。

天井の天窓は、黄金崎クリスタルパークさんの展示塔に似た
コップを伏せた形のようになっていました。




とにかく、大きな窓でとっても明るいし、海も見えて開放的。




ウッドデッキもあります。



今日は天気が良かったので、富士山もばっちり見えましたよ。

で、なぜオープン前のこがねすとに来たかというと、こちらで
商工会の『西伊豆自慢品』に選ばれた特産品を販売することになり
FAROから選定された『サザエグラス』を納品に行ったのです。

他に8社ほどのお店が自慢品を持ち寄っていましたが、
実はFARO以外全て『食品』




真ん中で、ひっそりとたたずむ私のグラスは

『完全アウェー』、、、

お値段も、皆さんのふりかけや海苔などに比べて桁が違うし、
場違いな印象を免れませんが、とりあえず置いていただくことに
しました。


こがねすとでは、飲み物やスナックのコーナーもございます。

西伊豆町の新名所になるといいですね~



昨日は大切な親友が、ご主人の転勤のため伊東から栃木へ旅立つのを
見送りに出かけました。

号泣しちゃうかもって不安だったけど、最後まで相変わらずドタバタの
彼女に「おいおい」と突っ込み入れながら、笑って送ることができました。
彼女も泣きそうなのを、そんな風にして紛らわせてくれたのかもしれないな。

その前に、お嬢さんが小学校を転校するにあたり、先生へ自分で吹いた
グラスをプレゼントしたいって来てくれました。

『本当はクラスメイト全員に作って贈りたい』

って言ってたらしいけど、幾らかかると思ってるの?って止めたって。笑

「じゃあ、先生にメッセージ書いて。
その筆跡なぞって、おばちゃんがグラスの底に文字彫ってあげるから。」

って紙に書いてもらいました。




グラスを吹いた後、下田まで誘って、ランチを食べて爪木崎で休んで、、、

「じゃあ今度は、引っ越しする前に、行きたがっていた『ぐらんぱる公園』へ
行こうね!」

って約束したのに、彼女たちの引っ越し準備や手続きで時間が足らずに、
行くことができませんでした。




けど、それで良かったかなって。
別れの思い出をわざわざ作るのではなく、普段のちょっとしたドライブが
最後の思い出になって、、、
私たちの友情は、そんな風に何気なく、自然なままでずっとずっと続くはず。

新たな場所で、家族みんな慣れるまで大変だと思うけど、
遠くからエールを送ります。

出会えて本当に良かったよ。ありがとう。


『職場の方へのお祝い返しを作って欲しい』

と、先月オーダーが入りました。

実は、この間書いた、『ガラスの表札』をご依頼くださった方の
双子のごきょうだいの方なのです。

ご結婚されたばかりなのですが、職場の方への
お祝い返しにFAROのガラスを是非贈りたいとおっしゃって
いただきました。

子どものころを知るおばちゃんとしては、とっても感激です。
二つ返事でオッケー出しました。

『以前吹いたグラスと同じようなものを贈りたい。』

と、おっしゃったので、画像を送ってくださるようにお願いしました。

それを見ながら、こんな感じかな?と作っていきました。
色を似せて作るのがちょっと難儀でした。
作りながら、色を増やしたり減らしたりして、似たような
色味に近づけて行きました。

少し大きめのグラスも混ぜて、大小セットで贈るとのことでした。



底にご希望のメッセージとお二人の名前、日付を彫りました。

30個ほどつくって、B品を外し、計24個お送りいたしました。

B品の中でも遜色ないものは、おばちゃんからのお祝いとして
プレゼントさせていただきました。笑

贈られた職場の方も気に入ってくださったそうです。

今度は、赤ちゃんが生まれたら、見せに来てくれるかな~~~


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