『灯台もと暮らし 』西伊豆ガラス工房FARO徒然日記

2012年06月

3月の終わりに、お電話がありました。

『結婚10周年記念に、妻にプレゼントしたい。』

ダイビングが趣味で、出会いも海。新婚旅行も西表島。
毎年記念日に、西表島や、石垣島の海へ潜るのだそうです。

夜のディナーの時に、奥様に見せてびっくりさせたいということでした。


昨年、kissyさんご夫妻に制作したオブジェを、
ブログで見つけてくださったそうで、それを基に
しながら、何か作って欲しいとおっしゃいました。

そして、二人の結婚生活の本当に支えとなった、2匹の
猫ちゃんたち
も盛り込んでほしいということでした。


”何か作って、、、”

というのが、私たちにとっては一番自由であるように思われ
がちですが、いえいえ、このデザインを構成したり、制作
方法を考えるのが、実は一番大変なんです。

表には見えない作業なので、出来上がりと、請求書が
釣り合わない!と思われる方も多いのです。

ですから今回も、初めは渋ったのですが、代金の上限を
もしものために高めにお伝えして、納得いただいてから
お引き受けしました。

さて、それにしても何かイメージできる言葉や、
モチーフはありませんか?とおたずねすると、
ちゃんとデザイン画を送ってくださいました。




後から、こんな画像も届きました。



一度、奥様が水深35メートルで、パニックになりかけたとき、
手を握って落ち着いた、、、というエピソードがあるそうで、
その時の、お二人の絆のようなものを表現してほしいという
ことでした。

はてさて、、、、


手を握っている、、、




手足の長い珍しい種類の猫、、、

どうやって1つのオブジェにしたらいいのかと、かなり思い
悩んでしまいました。

ずいぶん製作期間があったのに、全く形が決まらず、
とうとう5月になってしまいました。

送り先が離島なので、早めに送らないと間に合わないそうで、
意を決して、とりかかりました。



海のイメージはすぐにまとまったのですが、手を握っている
部分がうまくいかず、1つ目は途中でひび割れてしまいました。

そして、あんまりリアルすぎると、気持ち悪いというのも分かりました。

もうちょっとデフォルメして、分かる人には分かるという雰囲気で
収めることにしました。







外側ができても、更に難関のニャンズが待っていました。

予想はしていましたが、1匹あたりなんと1時間!もかかって
何度も割りながら、トライし続けて、ようやく形に、、、

猫って、鼻先や額の表現が難しく、すぐにリスやキツネみたいに
なってしまいがちなので、大変苦労しました。



でも、画像を見ていただいて、そっくり!と喜んでいただけました。




すべてが収まった完成図~~~




ニャンズは、2匹立たせるのが難しく、手の部分に
両面テープを貼って仮止めしました。

接着しちゃうと、お掃除大変だと思ったのです。





背面には、フリーハンドですが、日付と、メッセージを彫りました。

そんなこんなで、何とか形にして、急ぎ西表のレストランへ。

沖縄に荷物を送る時は、テロの警備上、中身を見せなければ
ならないと、初めて知りました。

到着後、レストランのオーナーさんが、割れていないと確認して
くれたと連絡があり、本当にホッとしました。

奥様は、果たして気に入ってくださったか、、、
とっても心配でした。

高い買い物したのに、どぶに捨てたようなものと思われたら
どうしようと、本当に心配でした。

後で、お写真を送ってくださいました。

ディナーの後のデザートの時、プレゼントも一緒に
テーブルに運ばれたそうです。

ニャンズの細かいところも再現されている、、、

と、とっても驚いて見て下さったそうです。

本当にうれしかったです。

これからも、末永くお二人とニャンズとで、暖かな毎日が
続きますように。

お幸せに。


今朝は、『西伊豆ガラス作家の会』の会議だったのですが、役場の方が新聞のコピーをくださいました。


この前一生懸命作って送った

“すずらん風鈴”

が、長野日日新聞さんの1面トップで、載ったそうです。(≧▼≦)

すでに、『どこで買えるのか?』と問い合わせも来ているそうです。

主人が、

『ハンガーも注文来るかな?(^-^)』

と、言ってましたが、セット価格じゃ高くて売れないでしょ!と笑いました。


ともかく、長野県富士見町と西伊豆町の交流に、少しお役に立てて、私たちは嬉しく思っています。(^-^)

ありがとうございました。

夜、お風呂に入っていたら電話が鳴りました。

主人が受け答えしていたのですが、お風呂に入っているのにも
関わらず、子機を持ってきました。

そんなに大事な電話か???

と、不思議に思いながら、もしもしと出ると、、、


『あの、、、私、浜松のサゴーで
『シュガー』というお店の店長だったものですが、、、
わかります???』



一瞬、頭の中が真っ白になったのですが、すぐに

『あっ!!!』

と、声が出ました。

そうです。
今は無くなってしまったけど、私が高校生だったバブルのころ、
流行の先端を行っていたファッションビル〝サゴー"

あの頃、私は絵画教室へ通う為に学校に内緒でわざわざ
浜松まで出てきて、ファミレスで働いていました。

この間の記事の、村井さんともそこで出会いました。

私は、家からおこずかいはもらっていませんでした。
だからいつも金欠で、電車で浜松へ来るのがやっとでした。

でも、自分らしく見せる洋服をいつも欲しくて、、、
周りの子はみんなお母さんに頼んで買ってもらった!と
素敵な服やブランドの服を着ていました。

本当に本当にうらやましかった。

だからお金が無くても、松菱や西武、丸井やサゴーへ
足しげく通い、たくさんの洋服を見ました。
時代はまさに、DCブランド全盛の時。
街は煌びやかで、いつもたくさんの人で溢れていて、
活気があって、浜松は本当に素敵な街でした。


そんな時、ふらりとシュガーに入ってみたのです。

シュガーは、とってもかわいい洋服のお店でした。
レースやギャザーがいっぱいだったけど、ピンクハウス程ではなく、
もっとシックなカラーリングも揃えてありました。

あの頃の店長さんは、失礼だけどかなり年上でした。
もう大きなお子さんがいてもおかしくないほどに見えました。

とても気さくな方で、いつも誰にでも話しかけ、
それが嫌味ではなく、サバサバと軽やかで小気味良く、
シュガーの服も、全然違和感なく着こなしていらっしゃって
それがまたかっこよかった記憶があります。

私の財布にはいつも数百円しか入っていませんでした。
お金があったら、油絵具か、木炭を買いましたから、、、

けど私が一度も買い物しなくても、店長さんはいつも私が行けば
『あら!』と、嬉しそうにしてくれました。

高校を卒業して、アルバイトを掛け持ちしながらガラス学校の
学費を稼ぐようになった時、私は思いきってベージュ色のショートコートを
買ったのです。

ボタンがチェルシーのように美味しそうで、襟はコーデュロイ。
裏地がブラックウォッチのネル素材でした。

本当に大好きで、何年も愛用しましたが、さすがに古くなり
一昨年処分しました。

だけど、大好きなボタンはとっておきました。



そんな大好きなブランドの店長さんからお電話。
一体、なぜ私の家がわかったのでしょう?

『実はね、テレビであなたのことを見たことがあったの。
伊豆に住んでいて、ガラスをやっている、、、って。

それで姉といっしょに、今日西伊豆へ行ってみたのよ。
わからないから、クリスタルパークへ行って、
お店の人に聞いたら
多分淳子さんじゃないか?って教えてもらって、、、

けど、道がわからなくなって、、、
電話したんだけどお留守でね。

仕方なく帰ってきたのよ。

でも、電話できてよかったわ!!』


そうです。
その日、私は留守にしていて、主人はアルバイト。
だから誰もいなかったのです。

『ガラス、続けていたのね!
工房まで建てたのね??

そう、、、とうとう夢が叶ったのね?



そう言われて、また驚いたのです。

私は、彼女にそんな話までしていたのでしょうか?

きっと、コートを買ったときに話したのでしょう。
私はそんなこと、すっかり忘れていました。

店長さんは、ずっとずっと、私のこと25年近く
忘れていなかったのです。


『お子さん、2人もいるの?
ああ、素敵ね!幸せなのね!!』


と、電話の向こうで心から喜んでくださっているのを聞いて、
ああ、なんて幸せなんだろうと感激していました。


この間、本屋でちらっと読んだ本に、書いてあった1文が
頭をよぎりました。

『自分のことを気にかけてくれている人が
どこかにいるということを知ることは、本当に幸せだ。』


きっとまた、お会いできるでしょう。
25年分のお話、お互いにしたいなと思っています。


ほほえみカエル君。

たくさん作ったので、ネットで手作り作品を販売して
くださるサイトにアップしたいと思います。

当然全部手作りですから、全く同じ顔の子は
1匹もいません。

それぞれの個性があるようで、みんな可愛いのです。



この子は『まっすぐちゃん』




この子は『チラ見ちゃん』




この子は『ウルウルちゃん』




この子は『なるほど!ちゃん』




この子は『感激ちゃん』




この子は「元気ちゃん』


カエルさん、お誕生日おめでとう。

今日も大漁ですか?


昨日、今日と、清水エスパルスドリームプラザさんにて、西伊豆観光物産展を開催中です。


FAROや、他の工房さんが手間隙かけて制作した“かも風鈴”や、工房オリジナル作品も展示販売されています。

お近くの方は、ぜひお出かけくださいね!



■日程/6月23日(土)、24日(日)
■時間/23日(土)10:00〜18:00/24日(日)10:00〜17:00
■会場/1Fエスパルススクエア
■詳細/
西伊豆町の魅力がつまった2日間です。
◇西伊豆町の名産品販売
◇かも風鈴の販売・展示
◇黄金崎クリスタルパークのジェルキャンドル作り体験

■ところてんの無料配布
<24日(日)12:00〜先着500名様>

主催:西伊豆町観光協会

このページのトップヘ