先月のある日、電話が鳴りました。
赤ちゃんのお位牌のことについて相談したいから、今から伺いたいというパパとママでした。
数時間後、お二人は現れ、思いがけず“3つ必要だ”と、さらりとおっしゃいました。
今まで双子ちゃんのお位牌はありましたが、3人分作ることはなかったので、まだ若いお二人を見て、とても切なくなりました。
赤ちゃん達は、みな“日”という漢字を使ったお名前ということで、私の“夕だるま”を気に入って、まずひとつは似たような感じで作って欲しいとおっしゃいました。
他のお位牌のデザインをいろいろお話しているうちに、
それならばご自身で作っていただいたらどうだろうか?
という考えが、私の中で膨らんできました。
ちょうど、デザインどおり制作した猫ちゃんのお位牌が、
『私の思っていたものとは、全然違う!』
と言われ、ひどい言葉をいただきながら返品されて、私は本当に傷ついたところでした。
ご依頼者の思いが、深ければ深いほど、たとえ綺麗な形にならなくても、ご自身の手から自然と何かが発せられて、望むものが現れるのではないかな?と思い始めていました。
ご自身で作ってみますか?
と尋ねると、いいんですか?と、パパは嬉しそうに笑いました。
赤ちゃんの名前からイメージを膨らませて、太陽、海、向日葵の3つのお位牌ができていきます。
ひとつ作っては、次はどんな色のどんな形にしようか?
と、3人で相談して進めました。
私がいつもそうしているように、
『赤ちゃんが降りてくるように、名前呼んでみて!』
と、パパに呼び掛けると、
『ひなた〜』
と、パパは名前を呼びながら、ガラスを撫でて成形していきました。
その一部始終を、ママがビデオで撮影していました。

もちろんこの日初めてガラスに触れた素人の方ですから、思い通りにならなかったり、いびつだったりしましたが、パパもママも、本当に満足そうにお帰りになりました。
私も、自分が作るよりも2倍も3倍も時間と労力がかかって大変でしたが、
(これが本来あるべき制作工程かもしれななぁ)
と感じ、心は充足感でいっぱいでした。
後日、お位牌に名前を彫刻しに、再びお二人はお越しになりました。

ガラスの塊を使って、練習をいっぱい彫ってもらいました。
パパは、かなり手こずっていましたが、1時間以上かけて、3つそれぞれにお名前と命日を彫りあげました。
短期間のうちに、次々と天使ちゃんになった、お二人の赤ちゃん、、、
その赤ちゃん達を見送った、パパとママの悲しみに思いを巡らせながら、彫刻の様子を見守りました。
嬉しそうに、そして大事そうに、仕上がったお位牌を胸にお二人は車に乗り込みました。
お二人が、いつか冷たく硬いガラスではなく、暖かく柔らかい赤ちゃんがその手に抱ける日が来ますようにと、祈りながら見送りました。
赤ちゃんのお位牌のことについて相談したいから、今から伺いたいというパパとママでした。
数時間後、お二人は現れ、思いがけず“3つ必要だ”と、さらりとおっしゃいました。
今まで双子ちゃんのお位牌はありましたが、3人分作ることはなかったので、まだ若いお二人を見て、とても切なくなりました。
赤ちゃん達は、みな“日”という漢字を使ったお名前ということで、私の“夕だるま”を気に入って、まずひとつは似たような感じで作って欲しいとおっしゃいました。
他のお位牌のデザインをいろいろお話しているうちに、
それならばご自身で作っていただいたらどうだろうか?
という考えが、私の中で膨らんできました。
ちょうど、デザインどおり制作した猫ちゃんのお位牌が、
『私の思っていたものとは、全然違う!』
と言われ、ひどい言葉をいただきながら返品されて、私は本当に傷ついたところでした。
ご依頼者の思いが、深ければ深いほど、たとえ綺麗な形にならなくても、ご自身の手から自然と何かが発せられて、望むものが現れるのではないかな?と思い始めていました。
ご自身で作ってみますか?
と尋ねると、いいんですか?と、パパは嬉しそうに笑いました。
赤ちゃんの名前からイメージを膨らませて、太陽、海、向日葵の3つのお位牌ができていきます。
ひとつ作っては、次はどんな色のどんな形にしようか?
と、3人で相談して進めました。
私がいつもそうしているように、
『赤ちゃんが降りてくるように、名前呼んでみて!』
と、パパに呼び掛けると、
『ひなた〜』
と、パパは名前を呼びながら、ガラスを撫でて成形していきました。
その一部始終を、ママがビデオで撮影していました。

もちろんこの日初めてガラスに触れた素人の方ですから、思い通りにならなかったり、いびつだったりしましたが、パパもママも、本当に満足そうにお帰りになりました。
私も、自分が作るよりも2倍も3倍も時間と労力がかかって大変でしたが、
(これが本来あるべき制作工程かもしれななぁ)
と感じ、心は充足感でいっぱいでした。
後日、お位牌に名前を彫刻しに、再びお二人はお越しになりました。

ガラスの塊を使って、練習をいっぱい彫ってもらいました。
パパは、かなり手こずっていましたが、1時間以上かけて、3つそれぞれにお名前と命日を彫りあげました。
短期間のうちに、次々と天使ちゃんになった、お二人の赤ちゃん、、、
その赤ちゃん達を見送った、パパとママの悲しみに思いを巡らせながら、彫刻の様子を見守りました。
嬉しそうに、そして大事そうに、仕上がったお位牌を胸にお二人は車に乗り込みました。
お二人が、いつか冷たく硬いガラスではなく、暖かく柔らかい赤ちゃんがその手に抱ける日が来ますようにと、祈りながら見送りました。