
西伊豆町では、赤ちゃんが生まれた家庭には、お誕生祝いに地元ガラス工房製作の 「ガラスの手形」 が、プレゼントされます。

11年前私達が、ガラス工房を建てさせてくださいとお願いしたとき、行政側から「逆に、あなた達は何をしてくれますか?」と問われ、思いついたのがこの手形でした。
手形をプレゼントする行政はその当時珍しくなく、どこでも見られたものでしたが、私達は地元のガラス原料を使うことにこだわりました。
その後ガラス作家の方達が、私達の移住を例に次々ガラス工房を経て、手形も製作を始めましたが、地元の砂を使っているのはうちだけです。
〜なんで西伊豆でガラスなの?という方にちょこっとメモ〜
西伊豆宇久須では、ガラスの主原料『珪石』が盛んに採掘されていた。
昭和30年代には国内の窓板ガラスの原料の、
80パーセントのシェアを誇っていた。
その後衰退し、現在は建築用の断熱材として使われている。
西伊豆宇久須では、ガラスの主原料『珪石』が盛んに採掘されていた。
昭和30年代には国内の窓板ガラスの原料の、
80パーセントのシェアを誇っていた。
その後衰退し、現在は建築用の断熱材として使われている。
というワケです。
年に2回、お母さんと赤ちゃんを集めて、目の前で各工房が自分の作品をアピールします。
ステンドグラスや、プレート型、折りたたみの写真立て型など、よりどりみどりです。
その後、お母さんが好きな工房のスタッフの前に集まり、手型をとります。
粘土で型をとるのは、うちぐらいで、他の工房さんはインクで赤ちゃんの手形のスタンプを取ります。
この場面が、実はつらいところで、、、
最悪の場合、だれも来てくれない という事態が生じます。

私も1度経験がありますが、あんなに惨め なことはありません、、、(泣)

当初はFAROだけだったので、独占状態だったのですが(今思えば、あのころが一番暮らしが楽だったなあ、、、はぁ、、、)今では4件に増えました。
でも、お母さん方にとっては、これだけの種類の中から好きなものが選べるって言うのは、良いことですよね。
どこの手形も同じ価格なんですが、結構なお値段です。
いつも、( 来年は予算がつかない かもしれない)と担当の課の方からボソッと言われ、内心ビクビクしていますが、それでもなくならないですっと続いているのはすごいことだと思います。
西伊豆町に本当に感謝したいと思います。
まだ、ガラスに起こしていません。(待っててね。)
ちっちゃくてかわいい手形を粘土で取って、このように石膏の原型を作ります。
あらかじめ珪石を砕いて砂にしたものを詰めた砂場を作っておき、そこへ先ほどの原型を押し込んでへこんだところに1300度のガラスを一気に流し込んで、手形は完成。
一昼夜冷ました後、フォトプレートや、FAROオリジナルの台を(これもチョイスできる)接着して、お名前や誕生日、身長体重、製作日を彫刻して完成。
後日、西伊豆町の木『椿』の苗木と共に、行政から贈られます。
全国的にも誇れる事業だと思います。
ずっと続いて欲しい仕事です。